研究課題/領域番号 |
16K15669
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | connexin 43 / 滑膜炎 |
研究実績の概要 |
関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)は、免疫異常により細胞間コミュニケーションが活性化されることで炎症性サイトカイン を過剰に産生し、関節破壊を生じる。これらの発現を阻害する生物学的製剤が臨床応用され、一定の寛解率を得た。しかし、重篤な感染症、心不全などの副作用のために治療の中断を余儀なくされる例や、中和抗体の出現により効果が減弱する例もある。既存のRA治療 薬が使用困難なRA患者には、従来の治療法とは異なるアプローチで治療する必要がある。 RA病態では、炎症性サイトカインの過剰産生、細胞と細胞外マトリックスを接着するインテグリンの機能異常などにより、細胞同士のコミュニケーションが破綻した結果、炎症性 の滑膜細胞が増殖して、破骨細胞が誘導される。代表者は、この点に着目し、細胞間の情報伝達に重要なギャップ結合タンパクの1つであるconnexin 43の発現を解析した。 ヒト軟骨疾患ではない関節(肉腫のため大腿切断となった膝関節)の滑膜と比較し、ヒトRA滑膜の表層部でconnexin 43は明らかに高発現していた。また、関節リウマチ滑膜を単離培養し、遺伝子発現を解析した。tumor necrosis factor -α、interleukin 6などのサイトカインが遺伝子発現が高ければ高いほどconnexin 43の発現も高かった。 以上からヒトRA滑膜におけるconnexin 43の発現が関節内における炎症性サイトカインの発現と関与している可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書に記載のとおり、ヒト関節リウマチの滑膜炎の組織にconnexin 43が高発現しており、炎症性サイトカインの発現が高いほどconnexin 43の発現が高いことを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度も平成28、29年度と同様に研究計画書そって研究を推進させる。ヒト関節リウマチの滑膜において投薬歴を詳細に調査し、既存の薬剤のconnexin 43の発現に対する影響を検証する。ヒト関節組織のサンプリングには人を対象とする医学系研究倫理指針の規定に添うよう倫理面にも配慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が予定額より低い金額で購入できたため、平成29年度に使用しなかった金額は平成30年度に実験材料などに使用する予定である。
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