ジアシルグリセロール(DG)のリン酸化酵素であるジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)ファミリーのうちゼータ型DGK(DGKζ)の発現減少による影響を、培養細胞を用いて検討した。 野生型およびDGKζ-KO 由来のマウス胎児由来繊維芽細胞(MEF)を低酸素条件下において培養した。それぞれ0時間、6時間、24時間培養後に細胞を回収し、AMP活性化型タンパク質キナーゼ(AMPK)α抗体とAMPKα-Thr172リン酸化抗体を用いてウェスタンブロット解析を行った。 AMPKαの蛋白発現は、野生型においては低酸素負荷により時間依存的に増加した。一方DGKζ-KO MEFにおけるAMPKα蛋白は、正常酸素圧で既に高い発現レベルを示していたが、逆に低酸素負荷により次第に減少することが明らかとなった。AMPKα mRNA発現は、正常酸素圧においては、野生型およびDGKζ-KO MEFには著しい差を認めなかった。しかし低酸素環境下においては、野生型とDGKζ-KO MEFの両者とも減少するが、DGKζ-KO MEFでは著しく減少することが判明した また、野生型およびDGKζ-KO 由来のMEFを正常酸素ないし低酸素条件下で24時間培養し、RT-PCRでmRNA発現を解析した。AMPKα mRNA発現は、正常酸素圧においては、野生型およびDGKζ-KO MEFには著しい差を認めなかった。しかし低酸素環境下においては、野生型とDGKζ-KO MEFの両者とも減少するが、DGKζ-KO MEFでは著しく減少することが判明した。
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