研究実績の概要 |
TrkB-2発現ベクター(DNA)投与は疼痛閾値の改善は認められたが食欲不振や体重減少がみられ何らかの細胞毒性があることが推察される。その結果発現ベクター(DNA)投与を中止してTrkB-2タンパクによる疼痛抑制効果を試みた。 このベクターをもとに大腸菌を用いてTrkB-2タンパク(eTrkB)を合成し、脊髄くも膜下に投与(111ng)した。モデル作成後7日目で投与した結果、4日間有意に疼痛閾値が改善され、また同時にGFP発現が観察された。蛋白投与の場合は細胞毒性は認められなかった。 なおこのタンパクを熱処理したり、TrkB-Fc投与(100ng)では疼痛閾値の改善はみられなかった。さらにANA-12(TrkB antagonist:100ng)投与では投与4時間後には一過性の疼痛閾値の改善はみられたが持続的な改善はみられなかった。(Hazama, K et al, 2018, Kawasaki Med J) TrkB-2タンパク投与による疼痛改善の機序をさらに解明するために、P2X4R(脊髄中マイクログリア細胞のプリン受容体)のPCR用 primerを設計し、痛みとの関連を調べている。
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