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2016 年度 実績報告書

精巣特異的カルシニューリンを標的とした男性避妊薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15687
研究機関大阪大学

研究代表者

伊川 正人  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20304066)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2017-03-31
キーワードカルシニューリン / 避妊薬 / 不妊モデル / ゲノム編集 / 実験動物
研究実績の概要

日本では年間約20万件もの人工妊娠中絶が行われているが、その理由の1つとして望まない妊娠が挙げられる。米国でも約50%が予定外の妊娠とされ、約半数で人工妊娠中絶が行われている (Finer, Contraception 2006)。このような状況を改善するには、効果的な避妊法の開発や普及が急務である。我々は精子特異的に発現するカルシニューリンを同定し、その阻害剤により精子運動能力が低下して雄性不妊となることを発表している。
そこで本研究課題では、体細胞のカルシニューリンは阻害せず、精子カルシニューリンを特異的に阻害する化合物の探索を行うことを目的とした。
まずIn silicoスクリーニングによりカルシニューリン結合ドメインを持つタンパク質を10個、リストアップした。その後、RT-PCR等の発現確認により精巣特異的に発現する3つに絞り込み、CRISPR/Cas9法により遺伝子破壊マウスを作製した。いずれも生存には問題なく雄が性成熟することを確認したので、交配試験により妊孕性の有無を確認中である。またヒト精子カルシニューリンに結合する小分子をスクリーニングする目的で、ヒト精巣cDNAからPPP3R2とPPP3CCの遺伝子をクローニングし、FLAGタグを付加したリコンビナントタンパク質を調整した。生化学的試験により脱リン酸化酵素活性を有することを確認した。今後、共同研究先において、DEC-TEC法により結合小分子を同定する予定である。
遺伝子改変マウスの作製および小分子スクリーニング用リコンビナントタンパク質の調整も順調に進んでおり、ひきつづき研究を発展させることで、男性避妊薬開発の基礎が構築できると考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Baylor College of Medicine(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Baylor College of Medicine
  • [雑誌論文] Genome engineering uncovers 54 evolutionarily conserved and testis-enriched genes that are not required for male fertility in mice.2016

    • 著者名/発表者名
      Miyata H, Castaneda JM, Fujihara Y, Yu Z, Archambeault DR, Isotani A, Kiyozumi D, Kriseman ML, Mashiko D, Matsumura T, Matzuk RM, Mori M, Noda T, Oji A, Okabe M, Prunskaite-Hyyrylainen R, Ramirez-Solis R, Satouh Y, Zhang Q, Ikawa M, Matzuk MM.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A.

      巻: 113 ページ: 7704-7710

    • DOI

      10.1073/pnas.1608458113

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 受精における精子染色体の局在制御2017

    • 著者名/発表者名
      宮田治彦
    • 学会等名
      第122回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      長崎大学坂本キャンパス(長崎県長崎市)
    • 年月日
      2017-03-30
    • 招待講演
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスが切り拓く配偶子研究の未来と臨床応用への展望2016

    • 著者名/発表者名
      伊川正人
    • 学会等名
      第61回日本生殖医学会学術講演会・総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-11-04
    • 招待講演
  • [図書] ゲノム編集技術を使った遺伝子改変マウスの作製 実験医学別冊 マウス表現型解析スタンダード2016

    • 著者名/発表者名
      野田大地,大字亜沙美,伊川正人
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      羊土社
  • [備考] 大阪大学教員基本情報

    • URL

      http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=867

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公開日: 2018-01-16  

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