研究課題/領域番号 |
16K15692
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 淳志 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70444966)
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研究分担者 |
田口 和己 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (00595184)
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (30381867)
藤井 泰普 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (30566229)
安井 孝周 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (40326153)
海野 怜 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研究医 (40755683)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 尿路結石 / マクロファージ / オステオポンチン |
研究実績の概要 |
私たちは、尿路結石形成がオステオポンチン(OPN)によって促進し、抗炎症型マクロファージ(M2)の結晶貪食によって抑制されることを初めて証明した。本助成をうけ、これら新たな促進・抑制機序に基づいた新規リスク診断・治療薬を開発するため、以下の3つの研究を行っている。 Ⅰ. OPN 欠損マウスにおけるマクロファージ(Mφ)分布と結晶貪食能の解析:まずは貪食能を評価するための培養Mφ(J774.1, RAW264.7)を用いたシュウ酸カルシウム1水和物(COM)結晶モデル作成を行った。これにはMφの核をDAPI(青), 細胞質をPhalloidin-iFluor 555(赤)で、COM結晶をAlexa-Fluor 488(緑)で染色し、Incell Analyzerを用いたイメージングサイトメトリーを行った結果、結晶濃度・暴露時間依存性に貪食能が亢進した。 Ⅱ. ヒト血中・尿中OPN ならびにMφ 関連因子を用いた結石リスク診断法の開発:第1段階としてヒトの一時尿を採取し、尿中Mφの関連因子測定が終了した。多変量解析ならびに多項ロジットモデル解析にて①健常者 vs. 初発患者、②健常者 vs. 結石患者、③健常者 vs. 初発患者 vs. 再発患者について判別能の高い因子の検索を行った結果、①でIL-4とIL1aが高いAUC値を有すること、および③ではIL4, IL10, IL1b, GM-CSFならびに尿中Mgを組み合わせることによって、87%以上の判別能を有することがわかった。 Ⅲ. ヒト血液・尿分離Mφ を用いたクラスタリング解析と結晶貪食制御因子の同定:倫理委員会の申請段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の基礎モデルの確立をイメージングサイトメトリーを導入することで円滑に行えた。 その反面、ヒト検体採取に関わる倫理申請に時間がかかり、尿の解析に留まったが、統計学的解析によって、健常者と結石患者を判別するマーカーの同定に至った。
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今後の研究の推進方策 |
Ⅰ. OPN 欠損マウスにおけるマクロファージ(Mφ)分布と結晶貪食能の解析:OPNノックアウトマウスの骨髄から採取したMφによる貪食研究へすすめる。 Ⅱ. ヒト血中・尿中OPN ならびにMφ 関連因子を用いた結石リスク診断法の開発:新規検体を用いた前向き解析のため、尿を中心としたサンプリングを行う。 Ⅲ. ヒト血液・尿分離Mφ を用いたクラスタリング解析と結晶貪食制御因子の同定:倫理委員会の申請許可後、血中・尿中Mφの分離・解析をすすめる。
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