研究課題/領域番号 |
16K15697
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八重樫 伸生 東北大学, 大学病院, 教授 (00241597)
|
研究分担者 |
豊島 将文 東北大学, 大学病院, 講師 (70451581)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | Liquid Biopsy / 婦人科がん / 循環腫瘍細胞 / 循環腫瘍DNA / Digital PCR |
研究実績の概要 |
がん治療に分子標的治療薬が導入されるに従い、臨床現場では患者および腫瘍細胞の個性に着目した個別化医療の必要性が増している。適切な個別化医療を行うためにはバイオマーカーとして組織検査が必要になる事が多いが、現在の腫瘍組織生検には侵襲性などの問題点があり、それらの問題を解決するLiquid Biopsyという概念が注目されている。本研究では婦人科がん進行症例を対象としてLiquid Biopsyの臨床的有用性を検討する。具体的な手段としては①末梢血から循環腫瘍細胞を検出し遺伝子変異の有無を調べる、②循環腫瘍細胞と原発腫瘍で見られた変異遺伝子を検出するプライマーでPCRを行い、患者血液中の腫瘍由来DNAの絶対量を測定し治療効果のモニタリングを行う予定である。現時点では患者血液からの循環腫瘍細胞を効率的に採取するプロトコールが技術的に定まっていない。しかしながら最近Liquid Biopsyの標的として注目を集める「エクソソーム」に関しては、卵巣癌細胞株を用いた予備検討で効率的に採取が可能となった。
そこでH28年度は卵巣癌を対象として「エクソソーム」を標的としたLiquid Biopsyの可能性を探る方針とした。我々は卵巣癌細胞株から採取したエクソソームの卵巣癌細胞に対する機能に関しても、in vitroで興味深い知見を得られている。そこで再発卵巣癌患者の腹水および血液からエクソソームを採取して、抗がん剤耐性の有無を早期に検出する研究も上記①・②に加えて予定している。Liquid Biopsyを通じて、婦人科がん患者に侵襲の少ない検査で適切な個別治療を提供する事が本研究の意義だと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者血液からCTC検出のプロトコールが確立しておらず、安定してgenomic DNAが抽出できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
再発卵巣癌患者の血液および腹水よりエクソソームを抽出して、抗癌剤抵抗性の早期予測を目的とした検討を行う。
|
備考 |
http://www.ob-gy.med.tohoku.ac.jp/laboratory/category01/m-toyoshima.html
|