脆弱性X症候群は最も高頻度に精神遅延を発症する遺伝性疾患である。その原因遺伝子として同定されたFmr1において前変異を持つ女性保因者の約20%にFmr1関連早期卵巣機能不全症(POF)や脆弱X関連振戦・失調症候群の一部が見られるが、その原因についてはよく分かっていない。本研究代表者は、独自に同定した細胞サイズ調節遺伝子産物による新規なタンパク質相互作用が本疾患の病因特定につながるとの仮説に基づき研究に着手した。マウスや培養細胞を用いた実験はこの仮説を支持することを確認し、POFに関わると考えられる卵巣特異的なFmr1遺伝子カスケードの同定に挑んだ。
|