研究課題/領域番号 |
16K15710
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
村上 優子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (80739912)
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研究分担者 |
三浦 清徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (00363490)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 受精胚 / 機能評価 / microRNA / 胚培養液 |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究成果により、受精5日目の培養液中におけるmiR-517cならびにmiR-323-3pの発現解析は、良好な受精胚を選別するバイオマーカーに成り得ると期待された。そこで、平成29年度は、受精3日あるいは5日の培養液を用いた受精胚機能検査キットの開発を目指した。しかし、受精胚特異的microRNAについて、Veeck分類/Gardner分類(形態的分類)との関連を解析したが、有意な関連は認められなかった。ついで、受精胚特異的microRNAについて、妊娠成功例と妊娠不成立例とを最も区別しうる受精胚特異的microRNAマーカーセットをROC解析で選定し、胚培養液を用いた受精胚機能検査法の開発を試みた。しかし、胚培養液中から抽出されるRNA量が微量であること、ならびにTaqMan PCR法によるmicroRNA定量精度が不安定であることから、研究データの正確性を高める必要があり、研究の完遂に至らなかった。また、廃棄される胚培養液中のcell-free DNAを用いた受精胚DNA診断の可能性については研究自体を実施することができなかったため、研究期間を平成30年度まで1年間延長した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
受精胚特異的microRNAについて、Veeck分類/Gardner分類(形態的分類)との関連を解析したが、有意な関連は認められなかった。ついで、受精胚特異的microRNAについて、妊娠成功例と妊娠不成立例とを最も区別しうる受精胚特異的microRNAマーカーセットをROC解析で選定し、胚培養液を用いた受精胚機能検査法の開発を試みたが、研究の完遂に至らなかったため、研究期間を平成30年度まで1年間延長した。平成30年度には、平成29年度に予定されていた研究計画を実行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
受精3日あるいは5日の培養液を用いた受精胚機能検査キットの開発を目指す。受精胚特異的microRNAについて、妊娠成功例と妊娠不成立例とを最も区別しうる受精胚特異的microRNAマーカーセットをROC解析で選定し、胚培養液を用いた受精胚機能検査法を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
胚培養液中から抽出されるRNA量が微量であること、ならびにTaqMan PCR法によるmicroRNA定量精度が不安定であることから、研究データの正確性を高める必要が生じた。PCR法の精度向上などの条件設定に時間を要したので、当初計画していた集積した検体を用いたPCR解析を実施できなかったこと、廃棄される胚培養液中のcell-free DNAを用いた受精胚DNA診断の可能性については研究自体を実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。研究期間を平成30年度まで1年間延長し、集積した検体を用いたmicroRNA定量解析ならびに受精胚DNA診断のための胚培養液中cell-free DNAを用いたマイクロアレイ解析を実施するため、研究計画の遅延に伴い生じた次年度使用額は適正に使用される。
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