研究課題/領域番号 |
16K15720
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
猪原 秀典 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00273657)
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研究分担者 |
中川 崇 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (40610374)
谷山 義明 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60372611)
巽 光朗 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60397700)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | MCT4 / knock out / lactate |
研究実績の概要 |
頭頸部扁平上皮癌の皮下移植腫瘍モデルにsiRNAを投与してMCT4のノックダウンを行う実験系の開発が難航した。そこで、頭頸部扁平上皮癌培養細胞株を用いMCT4の発現をCRISPR/Cas9遺伝子編集システムを用いてノックアウトした頭頸部扁平上皮癌培養細胞株を樹立し、in vivo実験を行う方針とした。間もなくノックアウト株が樹立できる見込みである。 MCT4コンディショナルノックアウトマウスおよびノックアウトマウスの作製にあたりMCT4のスタートコドンを含むexonはexon3であったためexon4を挟む領域を認識するようgRNAを設計した。MCT4 exon4をターゲットとしたCRISPR/Cas9とflox配列を含んだ1本鎖DNA断片を2分裂期の胚細胞に同時にマイクロインジェクションしMCT4 exon4をターゲットとしたfloxノックインマウスを作製した。また、同領域がlarge deletionされたMCT4 exon4ノックアウトマウスも作製した。 F0マウスとして12 line作製したが、F1マウスのジェノタイピングによりfloxノックインマウスは1 line、ノックアウトマウスは1 line得ることができた。他の10 lineはすべてmosaicマウスであった。matingを継続し、現在homoノックアウトマウスを5匹得ることができた。homoノックアウトマウスに関しては、SPF管理環境化ではWTマウスと比較して特に著変なく成長している。 floxノックインマウスに関しては現在mating中であるが、安定してhomoノックインマウスが得られるようになればUBC Cre-ERT2マウスを交配しMCT4コンディショナルノックアウトを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頭頸部扁平上皮癌の皮下移植腫瘍モデルにsiRNAを投与してMCT4のノックダウンを行う実験系の開発が難航したが、CRISPR/Cas9遺伝子編集システムを用いてMCT4をノックアウトした頭頸部扁平上皮癌培養細胞株を樹立する方針とし、その作製は概ね順調に推移している。また、MCT4ノックアウトマウスについては既にhomoノックアウトマウスが得られており、今後十分な数が得られる見込みである。MCT4コンディショナルノックアウトマウスの作製は中途であるが、順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
homoノックアウトマウスの各臓器におけるMCT4のタンパク・mRNAの発現を評価し、表現型の解析を行っていく。更に、乳酸産生が誘導される環境下でどのような表現型が表出されるか解析を行う。floxノックインマウスに関してはhomoノックインマウスが得られるようになればUBC Cre-ERT2マウスを交配しMCT4コンディショナルノックアウトを作製した上で、同様の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
siRNAを投与するin vivo実験系の変更に伴い、試薬の購入額が減少したため。
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次年度使用額の使用計画 |
本来、配分額だけでは不足する研究内容なので、その充足にあてる。
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