研究課題
IL-4が加齢黄斑変性(AMD)の病態メカニズムにおいて、どのように関与しているかを明らかにすることを目的に研究を進めた。(1) IL-4発現骨髄由来細胞の局所集簇する際にみられる炎症性マーカーの変化:レーザー誘発脈絡膜新生血管(laser-induced choroidal neovascularization: L-CNV)マウスモデルを用いて解析を進めた。IL-4陽性骨髄由来細胞がL-CNV発生に重要な役割を果たす事を明らかにした。経時的な免疫組織学的所見からL-CNVと集簇細胞の3次元的な構造的な解析を行った。L-CNV導入期の照射後3日までに、眼局所に常駐しているIba1陽性CD11b陽性CCL2陽性マイクログリアが、照射部位に集簇する。これが、L-CNV成長の引き金になる。マイクログリアは、多くは照射部の網膜内層に留まるが、一部は成長期のL-CNVの表面や網膜下腔に集簇し、骨髄から動員されたIL-4陽性骨髄由来細胞の照射部位への集簇を促す。誘導されたIL4陽性骨髄由来単球が新たに大量のCCR2陽性骨髄由来単球を誘導し、L-CNVは更に増大し完成する。(2) IL-4Rα陽性骨髄由来細胞の血管内皮細胞へ分化の可能性:放射線照射後にGFP陽性骨髄由来細胞を移植した骨髄キメラマウスのL-CNVの経時的な解析により、L-CNV導入期におけるIL-4によって誘導されたGFP陽性骨髄由来細胞は、L-CNVのCD31陽性の血管構築と相似していた。この骨髄由来細胞は、 CCR2陽性CD11b陽性IL4Rα陽性であった。GFP陽性骨髄由来細胞がマイクログリア細胞として、血管形成に関与した可能性を完全には否定できないが、骨髄由来内皮細胞を用いた管腔形成アッセイの結果から、IL-4によって誘導された一部のGFP陽性骨髄由来細胞が血管内皮に分化した可能性があり、更に検証を要する。
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