研究課題/領域番号 |
16K15741
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30378195)
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研究分担者 |
内田 広夫 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40275699)
檜 顕成 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90383257)
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 分子生体制御学, 准教授 (10449069)
辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医療安全・感染対策部, 教授 (80554998)
城田 千代栄 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20378194)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
藤枝 俊宣 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (70538735)
武岡 真司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20222094)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 小児がん / 光温熱療法 / DDS |
研究実績の概要 |
代表的な小児固形がんである神経芽腫では発見時に大動脈周囲の後腹膜に浸潤性に増殖していることが多く、肝芽腫・ウイルムス腫瘍では肺への遠隔転移を高率に認める。一方で、小児がんでは遠隔転移症例や後腹膜浸潤症例でも、その腫瘍を取り除くことで予後改善に繋がることが知られている。しかし、従来的な治療(外科手術・化学療法・放射線療法)だけでの完全除去は非常に難しい。すなわち、小児難治性腫瘍症例では、外科的切除の難しい病巣を選択的に治療できれば患児の予後は劇的に改善することが期待できるが、現時点では浸潤性及び遠隔転移腫瘍の選択的な治療法が無い。そこで本研究では、ドラッグデリバリーシステム (DDS)機能を搭載したインドシアニングリーン(ICG)による選択的な光温熱治療により浸潤性及び転移性小児がんを除去する治療技術を開発する。本法は、小児がんの特性を踏まえた斬新な治療方法であり、予後の改善、しいては根治を導ける可能性が高い。ICGの高分子ミセル化を図った新しいDDS型光温熱剤であるICGラクトソームは、EPR効果に基づくがんへの選択的な集積性を示す。ミセルの骨格にポリ乳酸などの生分解性物質を用いたことで生体使用に際しての有害事象の発生を低減させることができる。申請者らはすでに開発したICGラクトソームを用いた動物実験によって、腫瘍への高い選択的集積性を証明し、ICGに由来する蛍光を指標にした腫瘍局在イメージングにおける有用性を示してきた。さらに、近赤外光吸収物質でもあるICGが集積した腫瘍に近赤外光を照射すると光温熱反応により腫瘍のみを熱することができるが、その際、腫瘍温度を43℃以上に照射光出力を調整することで、腫瘍縮退をほぼ100%の確率で誘導することができた
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに高強度発光遺伝子 (Nano- Lantern)をがん細胞(Colon26)に組み込んだ安定発現株(C26-NL)を確立しており、露光時間わずか0.3 sと従来のものより100倍明るい発光で、皮膚切開なしに0.5mm未満の腫瘍を検知できた。更に開発したICGラクトソームを用いた動物実験によって、腫瘍への高い選択的集積性を証明し、ICGに由来する蛍光を指標にした腫瘍局在イメージングにおける有用性を示した。近赤外光吸収物質でもあるICGが集積した腫瘍に近赤外光を照射すると光温熱反応により腫瘍のみを熱することができるが、その際、腫瘍温度を43℃以上に照射光出力を調整することで、腫瘍縮退をほぼ100%の確率で誘導することができた
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今後の研究の推進方策 |
ICGラクトソームを用いた小児腫瘍の光温熱治療のための要素技術を確立するとともに、薬物動態(安全性など)のデータを取得して、次世代光温熱療法の有効性を証明し治療効率の最大化を図る。実際には(1) ICGラクトソームを用いた腫瘍イメージングおよび光温熱治療効果の検証(2) DDS 型光吸収薬剤と光温熱制御機構を駆使した内視鏡型高効率がん治療システム開発(3) ICGラクトソームの薬物動態及び安全性(被照射臓器の温度など)データの取得 を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進み、当初の予定より試薬購入や実験動物購入が少なくなったために、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
(1) ICGラクトソームを用いた腫瘍イメージングおよび光温熱治療効果の検証(2) DDS 型光吸収薬剤と光温熱制御機構を駆使した内視鏡型高効率がん治療システム開発(3) ICGラクトソームの薬物動態及び安全性(被照射臓器の温度など)データの取得 に使用する。
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