研究課題
エキソソームの腸管粘膜HEV内皮細胞への選択的分布を検討した。エキソソーム表面に高発現するインテグリンはHEV内皮細胞表面に発現するMAdCAM-1をターゲティングし、腸管組織に特異的な分布を可能にすることを検証した。RA処理下のリンパ球活性化は腸管での抗原提示を実験的に模倣し、腸管ホーミング能をもつリンパ球をin vitroで誘導できることを示した。培養上清に分泌されたエキソソームを超遠心により分離した。対照としてRA非存在下に活性化したリンパ球から同様にエキソソームを分離精製した。分離したエキソソームの品質は粒子径分布(DLS散乱光分析)とエキソソームマーカーCD9発現(ウエスタンブロット)で確認した。別の対照としてインテグリンを欠損したKOエキソソームをの培養上清から同様にエキソソームを分離した。MAdCAM-1結合能を検討した。インテグリン発現レベルを確認後、MAdCAM-1-Fcを用いて結合を検討した。エキソソームの生体での臓器分布を検討するために、競合的ホーミングアッセイを応用して、エキソソーム体内臓器分布を高感度で評価した。蛍光色素でエキソソームを緑に、KOエキソソームを赤でラベルし同数を混合後、レシピエントマウスに静注投与した。一定時間後腸管を含む主要臓器を切り出し、緑と赤のシグナル比を蛍光顕微鏡下に比較検討し、色素の影響を除外するため赤と緑の逆の組み合わせも検討した。highエキソソームがMAdCAM-1をターゲティングすることにより腸管組織に選択的に分布することが示された。マウスT細胞培養上清よりhighエキソソームを分離する方法を確立した。またhighエキソソームがMAdCAM-1に結合し、in vivoで腸管組織に効率的に分布することが示された。
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