研究課題/領域番号 |
16K15760
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 教授 (10267164)
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研究分担者 |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
金涌 佳雅 日本医科大学, 医学部, 講師 (80465343)
佐藤 格夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30409205)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 近赤外スペクトル / 臓器障害 / リアルタイム / モニタリング |
研究実績の概要 |
近赤外分光法は、近赤外光を照射して、物質の定性・定量を行う方法で、非破壊、非接触、瞬時に測定できる電磁波計測法である。近赤外信号は膨大な情報を含んでいるが、医療現場での利用は、経皮的動脈血酸素飽和度や脳局所酸素飽和度測定など、ヘモグロビン由来の信号に限られている。近年、我々は、近赤外スペクトル全帯域に含まれる信号情報をフルに活用し、測定対象の特性を精度よく評価する、独自のデータ解析手法を考案した。本研究では、長時間小腸虚血モデルと小腸虚血再灌流(IR)モデルを被検対象とし、「超小型近赤外分光計(MicroNIR)を用いて組織障害評価モデルを作成する」ことを目的とした。 長時間虚血群では、280~330 gの雄性Sprague-Dawleyラットを3~5%イソフルラン麻酔下に開腹し、クリップを用いて上腸間膜動脈血行遮断を行った。虚血前、虚血直後、15分後、30分後、1時間後、1時間30分後、2時間後、2時間30分後、3時間後に、MicroNIRを用いて小腸の近赤外計測をin vivoで行った。IR群では、ラットの上腸間膜動脈血行遮断を3時間行い、再灌流直後、3分後、15分後、30分後、45分後、1時間後に、小腸の近赤外計測を行った。IR群では肉眼的に小腸を観察し、所見の異なる部位3カ所について、各々あらためて近赤外計測を行った。そして、小腸各部位を採取し、ホルマリン固定後に病理学的検査を行った。 MicroNIRでの測定は、拡散反射モードで行った。Black & White補正後専用のソフトウェアを使って、スペクトル計測を行った。1回の計測で100回の積算を行って1データとし、連続10回のデータを取得した。取得したデータは、データ解析用ソフトUnscrambler X(version 10.4)に転送し、保存した。現在、データ解析を鋭意進めているところである。
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