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2018 年度 実績報告書

無重力環境下における歯と骨の代謝機構解明に向けたモデル動物としてのメダカ活用戦略

研究課題

研究課題/領域番号 16K15778
研究機関昭和大学

研究代表者

茶谷 昌宏  昭和大学, 歯学部, 助教 (80628628)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードメダカ / 破骨細胞 / 骨芽細胞
研究実績の概要

本研究では、メダカを用いた実験から重力に関連する骨代謝機構を明らかにすることを目的としている。国際宇宙ステーションで行った実験結果をまとめあげ、発現遺伝子のデータを基盤として、地上実験を進めた。無重力環境下における骨吸収活性化に対してメダカの遺伝子発現を調べたところグルココルチコイドの関与が示唆されたため、グルココルチコイドシグナルが骨代謝に及ぼす影響に注目し、骨に関連する遺伝子改変メダカを用いることで未知なる骨吸収機構の解析を試みた。破骨細胞と骨芽細胞の分化や活性に関連する遺伝子改変メダカとしてTRAP promoter-EGFP、osterix promoter-DsRed TGラインを作製し、メダカのヒレにある鰭条骨を骨折させて、その部位に出現する破骨細胞と骨芽細胞を経時観察できる骨折修復モデルを用いて骨吸収機構を調べた。メダカにグルココルチコイドを投与するとfkbp5, ddit4遺伝子発現が増加した。メダカ骨代謝においてグルココルチコイドがどのように作用するか調べるために、メダカにグルココルチコイド製剤を濃度別に投与する実験を行ったところ、グルココルチコイド製剤は骨代謝が盛んな咽頭歯骨で濃度依存的に破骨細胞と骨芽細胞を減少させることが示唆された。グルココルチコイド受容体であるGR2の欠損メダカを作製したところ、骨折によって動員される破骨細胞と骨芽細胞の量が増加することが示唆された。また重力影響を調べるため加重力環境でメダカを飼育する実験系を作り骨組織の形成をマイクロCTを用いて詳細に調べた。その結果、背骨が「への字」に曲がる変形が見られ、三半規管に存在する耳石の形成異常が観察された。この結果から、重力の大きさが骨格や骨組織の形成を制御していることが示された。さらに骨芽細胞と破骨細胞が光る遺伝子改変メダカで調べると、これらの細胞に異常がみられることが示された。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Anti-mouse RANKL Antibodies Inhibit Alveolar Bone Destruction in Periodontitis Model Mice2018

    • 著者名/発表者名
      Kuritani Miku、Sakai Nobuhiro、Karakawa Akiko、Isawa Motoki、Chatani Masahiro、Negishi-Koga Takako、Funatsu Takahiro、Takami Masamichi
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: 41 ページ: 637~643

    • DOI

      10.1248/bpb.b18-00026

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 400㎞上空の生きた細胞を見る2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 雑誌名

      月刊細胞

      巻: 50 ページ: 38~39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] メダカ骨芽細胞/破骨細胞の微小重力環境に対する初期応答2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 雑誌名

      White

      巻: 6 ページ: 69~70

  • [学会発表] The potential of medaka fish to uncover mechanisms of gravity response.2018

    • 著者名/発表者名
      Chatani M
    • 学会等名
      15th Korea-Japan Joint Seminar on Space Environment Utilization Research
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] メダカ骨芽細胞/破骨細胞の微小重力環境に対する初期応答2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 学会等名
      第5回臨床骨ネットワーク研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Effects of gravity change on medaka fish hard tissues.2018

    • 著者名/発表者名
      Chatani M, Mitsuhashi A, Dodo Y, Azetsu Y, Sakai N, Kudo A, Takami M
    • 学会等名
      29th Australian and New Zealand Bone and Mineral Society (ANZBMS) ANNUAL SCIENTIFIC MEETING
  • [学会発表] 重力が歯と骨の恒常性に及ぼす作用-メダカを用いた加重力実験2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏, 三橋 あい子, 畔津 佑季, 坂井 信裕, 工藤 明, 高見 正道
    • 学会等名
      第36回日本骨代謝学会学術集会
  • [学会発表] 重力変化がメダカの硬組織に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      茶谷 昌宏
    • 学会等名
      第347回昭和大学学士会例会
  • [図書] Handbook of Space Pharmaceuticals2019

    • 著者名/発表者名
      Chatani M, Kudo A
    • 総ページ数
      1800
    • 出版者
      Springer, Switzerland
    • ISBN
      978-3-030-05525-7
  • [図書] Zebrafish, Medaka and Other Small Fishes.2018

    • 著者名/発表者名
      Chatani M, Kudo A
    • 総ページ数
      315
    • 出版者
      Springer, Singapore.
    • ISBN
      978-981-13-1878-8

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公開日: 2019-12-27  

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