体幹部定位照射(SBRT)は、非小細胞肺癌のみならず口腔癌にも適用されつつある優れた放射線治療法である。1回線量が大きく(~12 Gy)、わずか数回の照射で終了するというこれまでの治療法とは全く異なる特徴を持つ。そこで本研究では、Fucciとよばれる細胞周期を可視化する技術を導入し、細胞周期動態からそのメカニズムを明らかにすることを目的とした。研究の結果、通常用いられる1回2 Gy照射で5回5日間に渡って照射した場合に比べ、1回10 Gy照射した時の方が、放射線科感受性の高いG2/M期に細胞はより多く同調することがわかり、2回目以降の照射で放射線増感を引き起こしている可能性が示された。
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