研究課題
本研究では,コメから抽出した数種類のコメペプチド(コメ胚乳ペプチド,コメ糠ペプチド),と大豆ペプチド,納豆ペプチド,ローヤルゼリーをpHごとにフラクション化したものを使用した.はじめに,コメ破砕液をゲル濾過カラムクロマトグラフィーにより,分子量ごとにフラクション化し,コメ抽出タンパクのライブラリー構築を行った.次いで,マウスマクロファージ由来RAW264.7細胞を用い,RANKLとペプチドの存在化で分化した破骨細胞数を測定し,破骨細胞分化関連分子の変動をウエスタンブロット法とqPCR法にて解析した.また,事前にペプチドを添加したRaw264.7細胞を各TLRリガンドにて刺激し,炎症性サイトカインの産生量を測定することで抗炎症機能を評価した.さらに,食物由来ペプチドの歯周炎への影響は,ペプチドをin vivo 歯牙結紮モデルに局所接種し,歯周組織の炎症性サイトカイン産生量と歯槽骨吸収量の測定,組織切片上での破骨細胞数を比較することで評価した.Raw264.7細胞において,食物由来ペプチド,特にコメ胚乳ペプチド(pH4.9)は破骨細胞分化を約30%抑制することが示された.さらに,大豆ペプチド(pH2.7)には破骨細胞への分化促進機能を持つことが示された.また,多くの食物ペプチドには,TLRリガンド刺激に対する炎症抑制効果.があることが明らかとなった.歯周病モデルマウスへの食物由来ペプチドの局所接種では,歯牙結紮による炎症と骨吸収が抑制されていた.以上より,食物由来ペプチドは,炎症抑制能と破骨細胞分化抑制による骨吸収抑制能を有することが示唆された.
寺尾 豊:内閣官房/文部科学省/厚生労働省/農林水産省,第1回AMR対策普及啓発活動表彰,2017年6月26日
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