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2016 年度 実施状況報告書

ヒト循環内腫瘍細胞の培養法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15786
研究機関山梨大学

研究代表者

齋藤 正夫  山梨大学, 総合研究部, 教授 (90345041)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードCTC / EMT / 循環内腫瘍細胞
研究実績の概要

近年、原発固形腫瘍からの遺伝子診断に基づく薬剤感受性診断など、いわゆるオーダーメイド治療が進められている。一方で、「上皮間葉転換(EMT)」や「がん幹細胞」の概念が浸透するに伴い、原発巣細胞の形質の不均一性(heterogeneity)の問題が浮上している。EMTの獲得に伴い、形質変化したがん細胞が、間質内浸潤後、効率よく循環内腫瘍細胞(CTC)として生存し、遠隔転移の種となることが知られるようになった昨今、CTCを用いた新たなオーダーメイド治療の開発が必要である。現在、CTCの検出方法は徐々に発展しているが、未だ分離したCTCを培養することができていない。そこで、本研究では研究代表者のこれまでのEMTの研究実績をもとに、CTCをin vitroでの培養を試みる。
本年度は、最近の研究結果をもとにin vitroの実験系で樹立されたがん細胞を用いて検討した。これまでに、コラーゲンゲルを用いた通常のチャンバーアッセイでは、細胞が底面のコラーゲンより剥離することなく接着したままであったが、コラーゲンの硬さを変更し、さらに改良したチャンバーを用いると浸潤した細胞がコラーゲンより剥離し、浮遊することが確認された。しかし、浮遊している細胞は底面に接着することがなかった。そこで、底面のコーティングなどの改良や液性因子の添加によって、一部の細胞が付着することが確認された。そこで、現在これらの現象とCTCの関連性を検討している。これらの系が確立されたのち、実際担癌患者の血液サンプルを用いて、CTCを検出ならびに初代培養法に応用する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

再発した口腔癌患者の血液を用いて、遠心分離後上清は核酸精製用に用い、沈殿物に含まれるであろう細胞成分の培養をさまざまな手法で試みたが、現在までに培養ができていない。他方、invitroでの実験は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

患者由来のサンプルには量的な限界があり、現在はinvitroでの実験を進めている。ここで判明した結果を工夫して、患者のサンプルに応用しようと考えている。
通常invasion(migration) assayには8.0umのporeをもつチャンバーで行われているが、この実験系では、EMTを獲得した細胞の様な単一細胞(single cell)浸潤には適しているが、近年話題の集団細胞(collective cell)浸潤を評価できないと考え、そこで独自に70umのメッシュ状の構造を持つチャンバーを作り、さらに現在改良中である。この系を駆使し、継続して研究を進める。
がん細胞の多くは浸潤後、接着することができず浮遊してしまうという可能性もある。浮遊している細胞の生存活性の検討、コラーゲンゲルの改良、液性因子の浮遊細胞生存への影響などを改良しながら継続して研究を進める。
初代培養細胞を用いて同様に検討する。

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公開日: 2018-01-16  

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