口腔癌の所属リンパ節(LN)転移の低侵襲治療法を開発するために、リンパネットワークの上流のLNを薬剤投与部位としたリンパ行性癌化学療法を検討した。本研究では実験動物としてLN腫脹マウスであるMXH10/Mo/lprを用いた。このマウスの腸骨下LNに癌細胞を注入すると、その下流にある固有腋窩LNに転移することが明らかになっている。本研究の結果、LNへの薬剤投与速度が速い場合、下流のLNへの薬剤送達が十分為されないこと、粒径が大きい抗癌剤封入ナノ粒子がLN内の貯留性に優れること、抗癌剤封入ナノ粒子を転移LNに注入した後に超音波照射すると抗癌剤の薬剤送達性の向上がみられることが明らかとなった。
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