研究課題/領域番号 |
16K15818
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
丹沢 秀樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50236775)
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研究分担者 |
小河原 克訓 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (20372360)
坂本 洋右 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50451745)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | drug delivery system / エキソソーム / ファージディスプレイ法 / 超遠心法 / siRNA |
研究実績の概要 |
本研究では、修飾エキソソームの各種癌への特異的吸着性と標的細胞への「注入」の2つの事項に関し、効率を高めるために適した標的細胞表面発現ペプチドを検索同定し、これを搭載したエキソソームによる新規drug delivery systemの開発を目的とする。このため、以下の研究項目から構成されている。①癌組織特異的ペプチドの探索 ②修飾エキソソームの作製と吸着能評価実験 本年度は下記のように実施した。 ①癌組織特異的ペプチドの探索:当科で過去に実施した独自cDNA microarray作成研究の際に作成したcDNA libraryと、多くの研究で実施し蓄積したmicroarray解析data baseの比較を行ない、候補cDNAを選別した。具体的には5種類の扁平上皮癌細胞株(HSC2、HSC3、HSC4、Sa3、H1)を用いた2つのmicroarray解析の結果を基に、共通して高い発現を示し、かつ細胞膜上に高い発現を示す遺伝子を最初に50個選定した。さらに、その中からcDNA libraryにクローンが存在し、かつqRT-PCR法で口腔癌細胞において高発現となる遺伝子を検索し、癌組織特異的ペプチド候補とした。一方、ファージディスプレイ法による口腔癌細胞表面分子の探索では、抽出したクローン中のファージDNAの確認が困難であることが判明した。洗浄操作の繰り返しで流出してしまうファージDNAが多数存在しており、次年度に技術的な問題を解決する予定である。 ②修飾エキソソームの作製と吸着能評価実験:マウス樹状細胞は、既存のtsDCを購入した。増殖速度が遅く生育が環境に左右されやすい点が培養の課題となっている。この培養上清より超遠心法にてエキソソームを十分量確保する手技は確立できた。 次年度の課題として、エキソソーム膜状へのターゲットペプチドの発現と内部へのsiRNAの導入手技の確立を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファージディスプレイ法は困難であるが、data baseからのターゲットペプチドの選定は成果を上げている。来年度の内容であるエキソソームの回収技術も確立できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、選定したターゲットペプチドのエキソソーム膜状への発現とその確認、さらにエキソソーム内へのsiRNAの導入技術の確立が課題である。
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