本研究では、骨が破壊されて再び形成されるリモデリングと呼ばれる過程において、骨の中に多数存在する骨細胞が果たしている役割について検討した。骨組織の維持に関わる細胞のネットワークを体外で再現した実験系において、骨細胞を除去した時の、リモデリングにおける細胞のふるまいの変化を、組織の深部を観察可能な2光子顕微鏡を用いて解析した。その結果、骨細胞の除去は破骨細胞を減少させることで骨の破壊を抑制し、その後に起こる骨の再形成を減少させた。このことから、骨細胞は破骨細胞による骨の破壊を促進することでリモデリングを開始させていることが示唆された。
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