皮膚や粘膜への創傷は常に速やかな治癒が望まれている。口腔は常に多様な刺激に暴露され損傷が生じやすい一方で、高い再生力を持ち、皮膚よりも速やかに治癒し瘢痕が生じにくいことが知られている。私たちは口腔粘膜に常に加わっている機械刺激に着目し、機械刺激により活性化するカルシウム透過性チャネル (TRPV4) の活性制御という新たな観点から、創傷治癒への影響を調べた。TRPV4の遺伝子欠失マウスを用いた実験から、TRPV4が口腔上皮細胞の細胞移動や細胞間の接着を制御し、創傷治癒を抑制することわかった。TRPV4制御によるアプローチは新たな口腔粘膜バリア薬として期待出来る。
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