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2016 年度 実施状況報告書

口腔癌発育先進部における腫瘍微小環境の解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K15827
研究機関札幌医科大学

研究代表者

平塚 博義  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50165180)

研究分担者 宮崎 晃亘  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10305237)
荻 和弘  札幌医科大学, 医学部, 講師 (40433114)
上田 愛  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80568105)
小林 淳一  札幌医科大学, 医学部, 助教 (80404739)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード口腔扁平上皮癌 / 癌微小環境 / tumor budding
研究実績の概要

抗AE1/AE3抗体を用い、T1, 2N0早期口腔癌91例における切除組織のパラフィン包埋切片上で免疫組織化学的に遊離癌細胞(tumor buds)を同定、その臨床的意義を検討した。口腔癌の亜部位は舌、口底、頬粘膜に上下歯槽歯肉である。現時点では、χ2検定、Fisher’s exact testによる単変量解析の結果、臨床的に頸部リンパ節転移を認めないN0早期口腔癌の潜在性頸部リンパ節転移(occult nodal metastasis)には、tumor budding(p<0.0001)、mode of invasion(p=0.0009)とmode of invasionを改変したY-K分類(p=0.0008)が関与していた。しかしこれらの病理所見は原発巣再発に関与しなかった(順にp=0.8558、p=0.8906、p=0.187)。
91例の転帰は生存79例、他病死7例、原病死5例であった。91例のoverall survivalは87%、disease-specific survivalは95%であったが、どちらにも原発巣再発(p=0.0003、p=0.0005)とtumor budding(p=0.0316、p=0.016)が関与しており、tumor buddingは顕微鏡レベルの予後因子であることが明らかとなった。しかし、mode of invasion(p=0.8106)とY-K分類(p=0.64042)および癌の深達度(p=0.561)は予後因子とならなかった。
本研究では、tumor buddingが新たな潜在性リンパ節転移の関連因子であることが判明し、予後因子となることも明らかとなった。Tumor buddingが発現する背景は何かを明らかにするのが今後の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

扁平上皮癌と顕著なリンパ球浸潤を伴うリンパ上皮癌の組織切片を対象として免疫組織化学的な研究を着手した。現時点では抗汎サイトケラチン抗体によるtumor budsの評価の成果が得られているが、多数の抗リンパ球細胞表面抗体による係りの検討が進行中である。したがって、当初計画に則った研究を遂行中である。

今後の研究の推進方策

現在行っている免疫組織化学的な所見の臨床的意義についてはある程度さきが見えてきた。この後、分子生物学的な手法の必要性について検討が必要である。

次年度使用額が生じた理由

現在、成果報告のための英文論文を校正中であり、次年度にずれ込む結果となった。

次年度使用額の使用計画

英文論文校正費、論文投稿料および別刷料に使用する。

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公開日: 2018-01-16  

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