研究課題
進行期口腔癌の予後は極めて不良である。近年、免疫療法が注目されており、特にチェックポイント阻害剤抗PD-1抗体は進行した頭頸部癌においても期待されているが、その奏効率は25%程度であり、さらなる奏効率の向上には癌抗原特異的な免疫反応を賦活する治療法が有効である事が明らかとなった。癌抗原特異的免疫療法として癌ワクチンや癌抗原特異的リンパ球輸注療法等が期待されているが、口腔癌においては未だ満足できる成果はない。これら特異的免疫療法で効果を得る為に必要な事は、治療標的として適切な抗原を選択する事である。我々は口腔癌細胞に特異的に発現し、正常細胞には発現しないCDCA5抗原を発見し、初年度は、CDCA5タンパクに含まれるHLA class I拘束性およびHLA class II拘束性のペプチド配列が、それぞれCDCA5抗原特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)ならびにヘルパーT細胞I型(Th1)を強く誘導する事を明らかにした。我々は、in vitro実験系で、これらのペプチドを樹状細胞にパルスし、CD8陽性およびCD4陽性T細胞と混合培養する事により、CDCA5特異的なCTLおよびTh1細胞を誘導することに成功し、これらのCTLおよびTh1細胞が、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株を移植したxenograftマウスモデルにて抗腫瘍効果を発現する事を確認した。この結果を受け、GMPグレードのCDCA5ペプチドを作製し、安全性を評価するための第I相臨床試験を開始する。同時に、上記CTLおよびTh1細胞からT細胞受容体(TCR)遺伝子のクローニングにも成功し、CDCA5特異的TCR遺伝子導入リンパ球を作製した。
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