研究課題/領域番号 |
16K15841
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30200645)
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研究分担者 |
岩崎 智憲 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10264433)
原田 みずえ 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20585103)
加治 建 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50315420)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 流体解析 / 呼気 / 吸気 / 顎顔面形態 / 上気道流体シミュレーション |
研究実績の概要 |
医科領域で原因不明とされている漏斗胸の原因因子として、上気道通気障害の影響を明らかにするために上気道3次元モデルによる流体解析を用いた気道通気状態の評価方法を確立し、吸気時咽頭気道圧を算出した。平成28年度は研究協力施設から62名の平均年齢9歳の小児のCTデータを用いた。小児はSNAとSNBからClass I,Class II, Class IIIの3群に分けられた。その結果、鼻腔抵抗値はClass I, Class II,Class IIIでそれぞれ、0.184,1.115,0.170 Pa/cm3/secでClass IIで鼻腔通気障害があることが示された。この鼻腔通気障害のあるClass II小児では、吸気時の咽頭気道陰圧が-247.64 Pa、呼気時の咽頭気道圧は220.255 Paと吸気圧の方が約30 Pa強いことが示され、下顎後退に影響することが示された。他方、Class Iでは吸気時の咽頭気道陰圧が-243.51 Pa、呼気時の咽頭気道圧は38.34 Paで、Class IIIでは吸気時の咽頭気道陰圧が-31.81Pa、呼気時の咽頭気道圧は32.48 Paと吸気と呼気の圧力差が0 Paから5 Pa程度と小さいことが示された。このことは長期に鼻閉をはじめ、上気道通気障害があることは咽頭気道だけでなく、胸腔にも非常に強い陰圧がかかることが予想された。本研究の一部は査読付き英文雑誌Orthodontics & Craniofacial Research (IF=1.690)に原著論文”Influence of pharyngeal airway respiration pressure on Class II mandibular retrusion in children: A computational fluid dynamics study of inspiration and expiration"として掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記以外にも5月に原著論文が3編出版されたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続して研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想以上の有用な結果がでて、いち早く論文発表することになり、論文執筆(3編)に多くの時間がかかり、残りの解析に進めなかった。その結果その解析に用いる予定のソフトの購入に至らなかっため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
該当年度で購入できなかったソフトを購入することでその使用額を消化する予定である。
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