研究課題
本申請はOSAS小児で見られる上気道通気障害児について、吸気と呼気時に咽頭気道部で医科領域で原因不明とされている漏斗胸の原因因子として、上気道通気障害の影響を明らかにすることを目的に、呼吸圧、体位、睡眠中の筋の弛緩等で大きく変形する咽頭気道周囲組織を再現した、より生体に近い上気道3次元モデルによる流体構造連成解析を用いた気道通気状態の評価方法を確立し、吸気時気道陰圧を算出して気道通気障害と漏斗胸との関連を証明し、さらに上顎側方急速拡大による気道通気状態の改善が漏斗胸の予防・軽減に有効であることを示そうとこころみた。その結果、小児の覚醒時に咽頭気道部の圧力を世界で初めて明らかにした。また、その圧力差が顎顔面形態におよぼす影響を明らかにすることで、遺伝的要因以外にも呼吸が密接にかかわっていることが示され、今後の小児・矯正歯科臨床へ大きな貢献を果たした。また、歯科的治療で下顎を前方へ位置させることで、咽頭部の呼吸圧が軽減することも示すことができた。本申請では現在評価が不可能な胸腔内圧を計測評価する代わりにほぼ同じ圧力が生じていると考えられる咽頭気道圧を評価し。その影響とそれに対する歯科的対応のエビデンスを発することができ、英語原著論文(Influence of pharyngeal airway respiration pressure on Class II mandibular retrusion in children: a computational fluid dynamics study of inspiration and expiration. Orthod Craniofac Res. 2017 May;20(2):95-101.他3編)、特許4件にまとめ、十分な研究実績を得た。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)
Orthod Craniofac Res.
巻: 20 ページ: 95-101
10.1111/ocr.12145.
Am J Orthod Dentofacial Orthop.
巻: 151 ページ: 929-940
10.1016/j.ajodo.2016.10.027.
Angle Orthod
巻: 87 ページ: 397-403
10.2319/080616-603.1