デンタルプラークは歯面への限定された細菌の付着に始まり菌種増加、増殖および遷移を経て病原性を発揮する。本研究では口腔内に6時間装着したハイドロキシアパタイトディスク表面に形成されたプラークを網羅的細菌群集解析法を用いて分析し、初期プラーク細菌群集の理解を目指した。本研究により初期プラークの詳細な細菌構成が明らかになったのに加え、歯面への付着・増殖能が特に高いと予想される菌種が特定された。またう蝕と関連する初期プラークの特徴も明らかとなった。本研究の結果は口腔マイクロバイオームをターゲットとした新たな口腔保健アプローチを構築していくうえで重要な基盤データとなると考えられる。
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