研究実績の概要 |
平成29年度は臨床看護師が看護研究を行なうために必要な教育ニーズ及び組織のリソースを明らかにするためにA大学病院看護職全員を対象に平成28年度に実施した質問紙調査結果及び文献検討をもとに,平成30年3月まで対面会議13回ならびにメール会議を開催し,教育プログラム試案を作成した。さらに研究プロジェクト運営委員会,看護部定例会,及び第32回日本看護科学学会学術集会交流集会で教育プログラムの概要を示し,討議の上教育プログラムを加筆修正した。 教育プログラムは,看護研究を継続して行い, 臨床看護師に看護研究のアドバイスができる看護研究支援者育成を目指すものとする。TNADSレベル2以上の取得者を対象に既存の教育プログラムに「看護研究分野」を設けて教育する。初年度は9名のモデルケースで開始し,教育期間は2年とする。大学教員と臨床看護師の強みを互いに出し合い,プログラムを運用する。リサーチマインドを育むために必要な構成要素として「基礎知識を得る」,「看護実践を省察する」,「先達から学ぶ」,「研究論文を読む」,「研究実践者とつながる」,「看護研究力を磨く」の6要素を抽出した。教育内容は基礎知識を得るセミナー・研修の受講,日々の看護を記録,討議し,看護実践を研究視点で省察する,カンファレンス方法をロールプレイで学ぶ,先達とのワークショップ,テーマ設定から研究成果の発表までを行うなどを設定した。教育プログラムの評価継続した研究テーマを持っている人数,先行研究の成果を看護実践やカンファレンスに活用する場面の数・人数,大学院進学を希望する,または考え始めている人数などにした。 平成30年度からは,モデルケースとして運用を開始し,効果検証しながらプログラムを洗練させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 次年度使用額は,当初の予算計画「人件費・謝金」が支出されなかったためである。それは,データの解析や資料の整理などを研究者が実施し,謝金による支出を抑えたためである。 (使用計画) 調査3年目の平成30年度は本年度に引き続き研究成果を公表する予定であり,その旅費と論文作成費にあてる。また,教育プログラムの評価にあたって,データの入力等「人件費・謝金」にあてる。
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