研究課題/領域番号 |
16K15863
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
関亦 明子 山形大学, 医学部, 准教授 (50321823)
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研究分担者 |
関亦 正幸 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80250190)
野川 宏幸 千葉大学, 大学院理学研究科, 准教授 (40143250)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 唾液腺 / 初代培養細胞 / 遺伝子改変マウス / 唾液分泌低下 / 有害事象予防ケア |
研究実績の概要 |
唾液分泌低下は、様々な口腔内トラブルを誘発し、患者にとっては闘病意欲の低下、時に命の危険に結びつくことから、がん看護において重要な課題のひとつとなっている。本研究では、唾液分泌低下の予防ケア開発を目標として、本研究で作成予定の「遺伝子改変-唾液分泌モデルマウス」からの唾液腺初代培養細胞の構築に挑戦している。この遺伝子改変マウスと構築した唾液腺初代培養細胞を、将来の個体・細胞レベルでの唾液腺障害メカニズムの解明に用いることで、治療による有害事象予防ケアの確立を目指している。
本年度は、以下のことを実施した。 1)遺伝子改変マウス作成に必要な改変遺伝子の作成と改良:改変遺伝子の作成を行って、アミラーゼプロモーターが機能することがわかっている培養細胞に導入し、作成した遺伝子が細胞内で計画通りに振舞うことを確認した。
2)唾液腺初代培養細胞の単層化培養に必要な培地組成探索:妊娠13日目の胎児から顎下腺を摘出し、細胞を分離して、様々な因子の有無で培養を行い、増殖の様子を比較することによって、培地の基本的な組成を決定した。この結果、胎児顎下腺細胞は、無血清で単層化して培養が可能であることがわかった。顎下腺は以前から多くのグループが三次元培養には成功しているため、単層化培養の試みにおいても顎下腺からスタートしたが、今後は刺激によりアミラーゼを分泌する耳下腺でも顎下腺同様に単層化培養が可能か試行していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス作成のための遺伝子作成と予備実験をほぼ終えている。また、遺伝子改変マウス作成後に唾液腺(顎下腺、耳下腺、舌下腺)の培養を行う予定だが、体外での初代培養細胞の増殖に必要な基礎培地の探索もスタートし、顎下腺の初代培養細胞の単層化培養に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、遺伝子改変マウスを作成し、その解析を行う。また、唾液腺細胞の単層化培養に必要な基礎培地の最適化、細胞の生存率を高めた継代方法の改良に取り組む予定である。また、今後は顎下腺で得られた知見を利用して、耳下腺、舌下腺でも同様に初代培養細胞の単層化培養に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な費用はほぼ使用した。残金はわずかであるため次年度の分と合わせて使用しようと考えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の研究開始に必要な物品を4月中に購入予定である。
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