褥瘡は在宅復帰率に影響を与えうるが、先行研究では小規模な調査にとどまっており結果が安定していない。そこで、急性期病院の入院患者の褥瘡の状態と在宅復帰率の関連を、Diagnosis Procedure Combinationデータベースを用いて検討した。アウトカムを在宅復帰とし、独立変数を褥瘡状態として、褥瘡状態が在宅復帰に与える影響を検討した。褥瘡なしを基準とした場合に、褥瘡の治癒、治癒傾向、維持、悪化、新規発生の順でオッズ比が有意に低くなることが明らかとなった。在宅での褥瘡の予防、病院での褥瘡の治癒促進、病院での褥瘡発生の抑制が在宅復帰率を向上させるために有効な方策であることが示唆された。
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