研究課題/領域番号 |
16K15868
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
山内 豊明 放送大学, 教養学部, 教授 (20301830)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | フィジカルアセスメント / 看護アセスメント / 臨床判断 / 実践力育成支援システム / 聴診 / シミュレータ / 電子聴診器 |
研究実績の概要 |
フィジカルアセスメント実践力育成支援ツールの開発とその検証を進めるために、認知認識を事実と照合していくインプットメソッドの開発を進めた。さらに認識すべきものをより正確にかつ有効にするために、インプットメソッドで捉えたものとアシスト機能で支援する開発を進め、これらを統合するシステム構築を完成させた。 インプットメソッドの開発研究としては、聴診で用いる聴覚情報について、既存の電子聴診器による集音・録音機能を活用するとともに、ワイヤレス聴診器との連動を図り、モバイル型の情報端末への音データの登録集約についての技術的なブレークスルーを狙い、その開発改良を進めた。この研究段階では、電子聴診器やワイヤレス聴診器の連動開発に関しては機器そのものの開発を行った企業、ならびにより普及度と実用性を高めるために今後のさらなる改良に関わる企業とのコラボレーションが重要であり、圧電素子フィルムによる集音装置の応用を目指して関連企業とのとの間で共同開発研究に向けた連携を形成した。 認知アシスト機能の開発研究としては、インプットメソッドの開発に並行して、どのように音情報を捉えるべきかについて情報呈示することで聴診の能力向上を図ることを目指した。現実の聴診に際しては、シミュレータからの音情報と電子聴診器のより得られた実際の音とを任意に聞き比べながら聴診を進めることで、聴取した音についての認識の適切さに対するクリティカルシンキングを向上させることを可能にする方法論について検討し、聴診能力の育成を図る方略についての方向性が確認でき、プロトタイプの作成を行った。さらなる研究進展のためには各種シミュレーション機器そのものの開発を行った企業とのコラボレーションも重要であり、そちらとも具体的な検討を進めた。 今後、音材料をAIによる判別システムへと展開できるための準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィジカルアセスメント実践力育成支援ツールの開発とその検証を進めるために、聴覚の認知認識を事実と照合していくインプットメソッドの開発、インプットメソッドで捉えたものとアシスト機能で支援する開発、これらを統合するシステム構築など、全般的におおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初の予定に大きな変更なく研究を進展させていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
より多くの詳細なデータ集積が、研究の制度を向上させると予測できたため、研究期間を延長することし、延長申請をして承認を得ている。研究期間延長後にデータ収集とその分析のための研究経費が必要と予測されたために、次年度使用額を準備したため。
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