研究課題/領域番号 |
16K15877
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
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研究分担者 |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00256075)
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 周麻酔期看護師 / 教育 |
研究実績の概要 |
本年度の研究は、日本における周麻酔期看護師の問題の明確化であり、調査1、2を設定した。調査1は、周麻酔期に関わる看護師へのインタビュー調査である。看護師6名(内訳:周麻酔期看護師4名、診療看護師2名)に対し、周麻酔期看護師として受けた教育、現在の業務内容、周麻酔期看護師として期待、今後の課題についてインタビュー(60分)を行った。その結果、周麻酔期看護師については、コード236、カテゴリー34、診療看護師については、コード142、カテゴリー27に分類された。周麻酔期看護師は教育に対し、医学教育の不足感、自分たちで作り出す、研究力など、役割や業務については、麻酔科専属の診療補助、役割の手探り、立ち位置の確立など、業務の課題としては、周麻酔期看護師の核が必要など、期待としては、周麻酔期看護師としての成果を出すなどの内容のカテゴリーが挙げられた。一方、診療看護師は、教育については、学部より高度な看護教育そして医学教育、医師ではないなど、役割や業務については、看る診られる看護師など、業務上の課題は、存在を根付かせるなど、期待としては、気軽に相談できる看護師などのカテゴリー内容であった。今回のインタビューにて周麻酔期看護師の考える役割や業務、課題、期待について把握できた。また、教育内容の検討過程である周麻酔期看護師と教育制度のある診療看護師では、その役割や業務、課題、期待について相違があることが確認できた。調査2は、周麻酔期看護師と現在協働している他職種へのアンケート調査であり、この結果をもって日本における周麻酔期看護師の問題を明確化する。アンケート調査は現在実施中である。調査3は海外の周麻酔期看護師の教育の把握のためのインタビュー調査であり準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は調査1~3で遂行しているが、現在調査1のインタビュー調査が終了し、現在調査2のアンケート調査の実施、調査3も実施準備中である。やや遅れたのは、研究協力者の変更に伴い、研究倫理審査申請が遅れたためであるが、その後は順調に進んでいる。また、次年度実施予定の教育プログラムの検討の文献調査は先に遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は調査2として、周麻酔期看護師と現在協働している麻酔科医師・手術室看護師と、その職を管理している看護部管理職に周麻酔期看護師の役割や業務、課題、期待についてアンケート調査を実施し、求められている周麻酔期看護師像を明らかにする。また、調査1、2から見えた周麻酔期看護師の日本の課題に対し、調査3では、海外の周麻酔期看護師にインタビューを行う。最終的には調査1~3から、周麻酔期看護師の実践と思考能力のある周麻酔期看護師の教育プログラムを検討し、実践型教育過程プログラムと思考型教育過程プログラムを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者の変更により研究内容におけるアンケート調査の一部と海外の周麻酔期看護師のインタビューが遅れ、その結果、教育プログラムの検討の準備にも遅れが生じた。全体のスケジュールに遅れが生じたことにより、アンケート調査にかかる費用(用紙、封筒、ボックスなど)や海外の周麻酔期看護師に対する渡航費用、教育プログラムの演習に必要な技術物品(換気モニター、人形など)が執行できず残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は研究協力者を増員し、研究スケジュールを短期間にて遂行できるよう組み立てている。本年度は、調査2、3、教育プログラムの検討を実施予定である。そのため、アンケート調査に必要な費用、海外渡航費用を執行する。また、昨年度教育プログラムに必要な文献調査はすでに行っているため、周麻酔期看護師教育プログラムの演習に必要な物品を早期に購入し実施していく予定である。
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