研究課題/領域番号 |
16K15889
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研究機関 | 東京純心大学 |
研究代表者 |
中村 惠 東京純心大学, 看護学部, 講師 (00363888)
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研究分担者 |
唐澤 由美子 東京純心大学, 看護学部, 准教授 (40277893)
塩原 真弓 東京純心大学, 看護学部, 講師 (70757161)
原田 慶子 東京純心大学, 看護学部, 准教授 (00341735)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護技術教育 / 卒業時到達度 / 看護学生 / 新卒新人看護師 / 技術習得 / シームレス |
研究実績の概要 |
今年度は、研究目的である①卒業時点の学生に求める看護技術到達度は教育側と臨床側で乖離しているのか、②卒業時点の学生が確実に行動できるレベルの看護技術の内容は何かの2点に関連した現状を把握するためにインタビュー調査を実施した。調査対象は当初の計画通り、卒業年次臨地実習(統合実習・総合実習)担当教員および臨地実習を受け入れている医療機関の新卒新人看護師教育担当者で、調査協力の得られた5名にインタビューを行った。 インタビュー結果から、卒業時点の学生および新卒新人看護師の技術到達度の状況は教育側と臨床側で乖離があると回答を得た。卒業時点での到達を求める技術の内容やレベルは「安全」、「安楽」、「観察」や技術の根拠が理解できることという基本的な内容であった。現在、看護基礎教育および現任教育において活用されている到達の程度を把握するための「技術チェックリスト」のあり方に関する見解については否定的であった。また、技術の実施においては「考えた」、「見た」、「行動した」、「体験した」のレベルであって「できた」と評価する現状でないという回答であった。臨床側は到達度として卒業時点で「できた」というレベルを求めておらず、むしろ教育側が「できた」と評価するにはどう指導を行うか試行錯誤している状況が窺えた。これらの結果は、卒業時点の学生が確実に行動できる技術の内容とその評価方法を再検討する上で重要な基礎資料と考える。 このような今年度の実績をもとに次年度は質問紙による実態調査を計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の予備調査の方法を変更して実施した。計画がやや遅れたことは次の2点の理由である。①研究倫理審査の承認のプロセスに時間を要した。②調査対象者に協力・承諾を得る上で時間を要した。全体的には2ヶ月程度の遅れである。今年度の成果としては研究目的を明らかにするための調査項目のもとになる具体的内容が得られており、平成29年度計画の質問紙調査の項目の作成および精選に向けて結果を分析している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査のデータ分析の段階が平成29年度に継続されるため、平成29年度計画の質問紙調査の準備および実施は計画的に進めていく。研究協力および倫理審査の過程が滞ることも勘案すると、調査時期は申請時の計画よりも1~2ヶ月遅れることが予想される。その場合は平成30年度5~6月までを目処に調査を終えるよう計画を見直して取り組む。研究計画は以下のように予定する。 ・4~7月:インタビュー調査結果分析、質問項目の抽出 ・8~10月:質問紙作成、倫理審査、協力依頼 ・12月:調査実施(その後は結果回収、分析作業に入る)
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、次の2点の理由で支出が押えられた。①ノートパソコン、統計解析ソフトが安価に購入できた。②交付金が申請時より下回ったこと、研究方法の見直しを行ったことから予備調査をインタビュー調査に変更し、消耗品費を抑えることができた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成30年度に実施する質問紙調査の配付・回収およびデータ分析の業者委託に当てる。 質問紙調査の質問項目数、自由記述項目および内容の数により10~20万円増額が見込まれるため、データ分析(業者)費用に使用する。
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