• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

新人助産師のクリニカルラダー習熟プロセスに関するモデル開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15897
研究機関広島国際大学

研究代表者

下見 千恵  広島国際大学, 看護学部, 教授 (80300424)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード新人助産師 / 研修 / クリニカルラダー / 新卒
研究実績の概要

新人看護職のリアリティショックなどの調査研究結果は,職場適応や早期離職防止の観点からプリセプターシップ等卒後研修に活かされてきた。また新人看護職員研修は努力義務化され,そのプログラムは定着してきた。看護職の中でも助産師はその役割や専門性が異なることから,新人助産師に特化した研修が作成,提言されている。さらに,臨床実践能力を評価,強化するためのクリニカルラダーが示されている。しかし新人看護職たちが,卒後研修プログラムに沿ってステップを踏んでいく中での心理的変化や職務上の発達状態については,不明な部分が多い。今年度は,新人助産師を対象にインタビュー調査を行い,クリニカルラダー到達に関する自己評価,クリニカルラダー到達上の困難さ,乗り越え方等について,分析した。
就業後1年未満の新卒助産師8名のインタビュー結果から,「つらい時期」「回復した時期」それぞれに「関係した要因」についてまとめた。つらい時期は,4-6月または8-9月と幅があり,その時期を複数回あげる者もいた。その要因は,仕事ができず周りに迷惑,できない自分が情けない,新旧の行動目標の重複時期,業務の一人立ち等があり,特に夜勤の開始は多くの者があげていた。回復した時期は,幅があるものの11月が多かった。乗り越えるきっかけには,同期助産師の存在,プリセプターからの評価や励まし,業務やケア技術の達成感等があった。夜勤の開始は新人にとってストレスフルな出来事である。助産師の場合,分娩介助など助産ケアが付加されるため,大きな不安や緊張を抱えると思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

体調不良(入院加療)により,当初の計画より遅れた。
新人助産師数名を対象に,インタビューを行い,仕事に対する心理的変化をラダーの段階とプロセスを合わせて情報収集した。心理的変化は「つらい」と感じる要因と時期,「回復」する要因と時期について整理した。時期についてはばらつきがあったが,その要因についてはカテゴリー化することができた。「つらい」要因は業務の独り立ち,夜勤の開始等があげられ,「回復」の要因には同僚(同期)やプリセプターからの励まし等が抽出できた。
予定していた対象者数よりも被験者数が少なかったため,次年度対象者数を増加し,さらに分析を深める必要がある。現時点の結果はプレテストの位置づけであり,質問票の作成に向けたデータを積み上げが不可欠である。

今後の研究の推進方策

初年度の計画である,インタビューデータの集積を進める。インタビューデータの分析を行い,質問紙の作成にとりかかる。インタビューで得られたデータから,質問紙を作成する。対象者の属性項目(フェースシート部分)を含めた質問紙とし,プレテストを実施することを検討している。得られた結果から,妥当性を検証し,被験者の意見も得て修正を図る予定である。

次年度使用額が生じた理由

体調不良(入院加療)により,研究計画が遅れており,研究費の執行に至らなかった。研究遂行状況により適宜執行していく。

次年度使用額の使用計画

被験者数を相当数確保するための調査研究旅費,当初の予定であるデータ収集後の資料整理(人件費)および成果発表に執行予定である。また,進捗状況によって分析用のソフト購入を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新人助産師のつらいと感じる時期と回復時期に関する調査2017

    • 著者名/発表者名
      下見千恵,児玉史乃,築谷祐季,竹中和子
    • 学会等名
      第31回日本助産学会学術集会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2017-03-18 – 2017-03-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi