研究課題/領域番号 |
16K15900
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
森山 美香 島根大学, 医学部, 講師 (50581378)
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研究分担者 |
伊東 美佐江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00335754)
秋鹿 都子 島根大学, 医学部, 准教授 (90342279)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 蘇生処置拒否 / DNAR / クリティカルケア看護師 / 教育 / モデル開発 |
研究実績の概要 |
わが国は米国と異なり、DNARを含む終末期に関する法律やガイドラインの整備は不十分な状況にある。多数の倫理的課題を含んだ家族によるDNARの代理意思決定を支援するクリティカルケア看護師の心理的負担は大きく、家族のDNARの代理意思決定を支援に困難を感じていることが推測される。そこで、本研究の目的は、DNARの代理意思決定を行う家族にかかわるクリティカルケア看護師が必要とされる支援を主体的に実践できるための教育支援モデルを開発することである。 今年度の主な目的は、①米国視察や文献検討により、わが国と米国のクリティカルケア領域におけるDNARの現状把握し、日本のクリティカルケア領域におけるDNARの看護実践上の課題を明らかにすることであった。 今年度の成果としては、米国の病院視察研修を行い、DNARや延命処置に関するマニュアルが整備されており、事前指示の確認方法、電子カルテへの記載などが統一されている現状を把握することができたことであった。また、文献検討により、両国ともに事前指示を持つ患者は少なく,クリティカルケア領域におけるDNARに関する看護実践に違いはなかった。DNARの代理意思決定を行う家族に関わるクリティカルケア看護師は、家族に対する支援の必要性を認識し,支援をしているが,クリティカルケア看護師には困難感があり,主体的に意思決定支援の役割が果たせていないことが推測された。しかし、家族のDNARの代理意思決定を支援するクリティカルケア看護師の困難感に焦点化した研究はないことが明らかとなった。 そこで、DNARの意思決定を行う家族に関わるクリティカルケア看護師の困難感について明らかにし,クリティカルケア看護師がDNARの意思決定を行う家族に対して,必要とされる支援を主体的に実践できる改善策を検討するための基礎資料とすることを目的とし,クリティカルケア看護師にインタビュー調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
文献検討をスムーズに進めることができた。また、施設の協力により対象者をリクルートでき、インタビュー調査を開始できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度はインタビュー内容の分析を行い、DNARの意思決定を行う家族に関わるクリティカルケア看護師の困難感を明らかにする。この結果をもとに質問紙を作成し、全国の救命救急センターの看護師を対象として調査を実施・分析を行う。平成30年度は、DNARの代理意思決定を支援するクリティカルケア看護師の教育内容等を検討し、モデルを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
視察費の一部が使用されずに繰り越されために生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の助成金は、成果発表のための旅費・参加費や、調査票の印刷費、郵送費、データ分析における人件費として使用する予定である。
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