研究課題/領域番号 |
16K15902
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
金岡 麻希 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (50507796)
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研究分担者 |
藤田 君支 九州大学, 医学研究院, 教授 (80315209)
木下 由美子 九州大学, 医学研究院, 講師 (30432925)
中尾 久子 九州大学, 医学研究院, 教授 (80164127)
潮 みゆき 九州大学, 医学研究院, 助教 (40622113)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝移植 / 身体活動量 / 生活習慣病 |
研究実績の概要 |
本研究は肝移植レシピエントに対する術後の身体活動基準の確立に向けた基礎的研究であり、術前から術後12ケ月までの経過を追う、研究①の縦断研究と、術後1年以上が経過した肝移植レシピントを対象とした、研究②の横断研究の二本柱で構成されている。 研究①は、平成28年度より引きつづき対象候補者への依頼を行い、平成30年3月31日時点で、36人の生体肝移植レシピエントに同意を得て調査中である。36人中24人が、術後1年が経過した。しかし肝移植患者は、身体状況が著しく悪い事例も多く、特に術前の日常生活における身体活動量のデータ収集は難航している。術前のデータが収集できたのは、13人であった。また術後3ケ月、6ケ月、12ケ月でのデータの欠損もあり、術前から術後12ケ月まで4時点すべての客観的身体活動量のデータ収集を完遂できたのは24名中9名(37.5%)にとどまっている。 研究②は、平成28年度に完了した客観的身体活動量、および質問紙調査のデータを分析し、肝移植後患者の日常生活における身体活動量の実態を把握した。肝移植後患者の1日あたりの平均歩数は、国民標準を若干下回る程度であったが、運動強度では、中強度以上の運動時間はほとんどなく、座位中心の生活を送っている実態が明らかとなった。さらに、身体活動量とメタボリック症候群の指標との関連を検討するため、カルテから血液検査データ等の追加情報収集を行った。今後、平成30年度の最終年度に向けて、それらも合わせた分析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究①については、術後のデータ収集に欠損は生じる症例もあるが、継続して対象者のリクルートは行えている。今後も対象者の負担に十分に配慮しながら、データ収集を行う。研究②については、分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究①の縦断研究に関しては、データ収集が欠損する症例もあり、統計分析上の対象者数の確保には問題がある。しかし肝移植の症例はもともと多くはなく、海外の移植患者の客観的身体活動量についても10例以下と少数の論文しかないため、今回の対象者数でも貴重なデータとなると考えている。よって、患者の負担に配慮しながら、できるだけDropoutが生じないよう、引き続き対象候補者へのリクルート、およびすでに同意を得ている対象者への術後の研究継続の依頼を行い、データ数の確保に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた海外での発表を行わなかったため、外国旅費を使用しなかった。
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