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2016 年度 実施状況報告書

グローバル社会における外国人の健康増進:コミュニティの強みを生かす生活習慣病予防

研究課題

研究課題/領域番号 16K15907
研究機関聖路加国際大学

研究代表者

長松 康子  聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80286707)

研究分担者 本城 由美 (佐居由美)  聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10297070)
五十嵐 ゆかり  聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30363849)
平野 裕子 (小原裕子)  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50294989)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード慢性病看護学 / 在日外国人 / ヘルスプロモーション / people centered care / 異文化看護 / がん / 生活習慣病
研究実績の概要

中高年在日外国人女性の生活習慣病リスクと、ヘルスプロモーションに関するケアニーズを明らかにするために、都市部と農村部の2か所において、40歳以上の在日女性35名に対して調査を行った。
1.中高年在日外国人女性の生活習慣病リスク:BMI30以上の者は71%、腹囲80cm以上の者が29%、血圧が収縮期140mmhgまたは拡張期100mmhg以上の者が29%に上った。31%が持病を有し、34%が定期的に服薬していた。
2.中高年在日外国人女性のがん検診受診状況:1年以内に健康診断を受診した者は20%、1年以内の乳がん検診と子宮がん検診の受診率はそれぞれ49%と32%であった。このように、中高年在日外国人女性には潜在的に生活習慣病リスクがあるものの、健康診断やがん検診受診率が低いことが明らかになった。
3.ヘルスプロモーション活動への意欲:2つのコミュニティに対してフォーカスグループ・ディスカッションを実施したところ、
4.中高年在日外国人コミュニティの特性:「母国を離れた者どおしの助け合い」「共に困難を乗り越えた経験による絆」「困難にくじけずポジティブに生きようとする姿勢」「母国と日本の懸け橋となりたいという思い」「教会や仕事を中心とした総合支援体制」などのポジティブな特性(強み)を有する一方で、日本の医療サービスに対して「母国と異なる医療システムに対するとまどい」「権威者である医師に対する畏怖」「検査や診断の結果および治療に関する説明を妨げる言語障壁」「悪性疾患と診断される恐怖」「母国と日本のヘルスリテラシーのギャップ」などの課題を抱えていた。
5.ヘルスプロモーション活動に対する意欲:教会活動や仕事などのコミュニティ活動に積極的に参加している者においてはヘルスプロモーション活動への参加意欲は高かく、属さないものにおいては、意欲はあるものの依存的傾向がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究協力を得ている在日外国人コミュニティの都合により、ヘルスプロモーションプログラムの開始時期が春から秋以降へと延期となった。

今後の研究の推進方策

3か月間のヘルスプロモーションプログラムを秋から実施する。コミュニティが主体となるpeople-centered health serviceを提供するために、月に1度スカイプで会議を実施して、プログラム内容を決定した。
1.介入:各週の運動療法及び体重測定、乳がん講演会、集団子宮がん健診を行う。コントロール群には、乳がん講習会と集団子宮がん検診を実施する。
2.プログラムの効果測定:介入群、コントロール群ともに、プログラム、プログラム終了後、フォローアップの3時期について、BMI、血圧、健康保持への自信感、うつ指標、主観的健康尺度、セルフエステイームを測定する。

次年度使用額が生じた理由

成果を論文発表する予定であったが、執筆が遅れたために英文構成や投稿費用が未使用に終わった。

次年度使用額の使用計画

急ぎ論文を作成し、次年度前半に投稿する。

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公開日: 2018-01-16  

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