研究課題/領域番号 |
16K15914
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山口 曜子 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50381918)
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研究分担者 |
徳永 基与子 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (20381709)
山下 舞琴 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (30757183)
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40240452)
任 和子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40243084)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 血糖変動 / 睡眠 / 生体リズム |
研究実績の概要 |
糖尿病を含む生活習慣病の発症には、睡眠覚醒や代謝系活動に影響する体内時計の乱れが関与している報告は多いが、ヒトに関する研究や報告は少ない。本研究の目的は、生体リズムに関係する因子に着目して、ヒトの睡眠時間と食事のタイミングが糖代謝に及ぼす影響を把握し、生体リズムを取り入れた糖尿病患者教育の有用性を検討することである。 当初、被験者の寝起きを実験室で行う予定であったが、被験者にとっての負担感を検討し、1週間連続夜に実験室に拘束することを避け、日常生活において血糖の日内変動と睡眠状況の測定を行うことに変更した。さらに、2週間の測定が可能な機器の発売に伴い、測定期間を延長することにした。したがって、今年度は主に下記の4項目について実施した。1)実施計画(測定環境、測定期間)の変更のため、倫理審査書類の作成と倫理審査委員会の承認を得た。2)2型糖尿病患者の被験者募集に対して、糖尿病治療を行っている施設長と主治医に研究協力の依頼を行った。3)主治医から紹介された患者2名に実際に2週間の測定を実施した。4)健康な成人の被験者の募集を行い、2名に同様に実施した。5)糖尿病に関連する睡眠と24時間血糖測定、および生体リズムに対する新たな知見を得るために各種研究会、学会に参加し情報の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前任校(光華女子大学)の研究倫理審査で、科研費申請前に学内倫理審査の承認を受ける必要ありと1人の審査委員が主張され不承認となり、再申請受付け不可とされた。不服申し立てに対してと再申請受付の必要性の説明に時間を要した。倫理審査の承認を得ることに当初の予想以上に時間を要した。したがって、研究に着手することが出来ない状況下であったため、データ収集の予定が大幅に狂ってしまった。当初予定人数の1/4の対象にしか実施できなかった また、2型糖尿病患者は、測定期間中測定器を外してしまうことがあり予定どおり測定ができなかったケースがあった。 さらに、この年度末、1月から研究者の所属する研究施設の異動があり、データを収集する環境が整わない状況下であった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、異動した研究施設の研究倫理審査を受け下記の予定で実施していく。 ・健康な成人の対象:1)健康な成人の被験者募集(約8名)を行い、測定を実施する。2)測定結果を食事摂取時刻と睡眠効率の視点から血糖変動パターンの関連性を分析する予定。3)得られた結果を基に学会発表の準備を行い、さらに論文発表の準備を行う。4)研究期間中に被験者数を増やすことを検討し実施していく。 ・2型糖尿病患者の対象:1)2型糖尿病患者(約3名)の被験者募集(施設へ依頼済)を行う。2)患者に対し測定を実施する。3)測定結果を基に食事摂取時刻と睡眠効率の視点から血糖変動パターンの関連性を分析する。4)得られた結果を基に、学会発表、論文発表の準備を行う。5)これら測定結果を基に、睡眠と食事摂取時間に着目し、患者への指導許可を主治医に得、実際患者指導をを行う。6)指導後の血糖変動と睡眠状況の測定について研究計画を立て、研究倫理審査を受ける。7)患者指導後の血糖変動と睡眠状況の測定を行う。予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者に対して24時間血糖測定器の簡便性とその負担感の確認を行ったため、今年度は24時間血糖測定器に必要なセンサーやそれにかかる物品を揃えるために経費を使った。したがって、被験者に対する謝金や各種学会発表等に対する経費はなかった。次年度は、被験者(糖尿病患者、健康な成人)の募集とそれに対する謝金等が必要になる。更にデータの入力や解析等にかかる人件費が必要である。得られた結果を学会で発表するための資料や情報を得る必要があり、それに伴う研究会・学科参加費用や交通費等の費用が必要になる。 (使用計画)主に下記の7点に使用する予定である。 1)健康な成人被験者への謝金と2型糖尿病患者の被験者募集にあたる施設へ謝金とその患者への謝金。2)24時間血糖測定のセンサー等にかかる備品費用。3)データ入力に対する人件費。4)食事摂取時刻と睡眠効率の視点から血糖変動パターンの関連性を分析することにかかる費用。5)会議等(結果解釈、発表に向けて等)にかかる費用。6)研究会・学会参加にかかる費用と旅費と、学会発表・論文発表の準備費用。
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