研究課題/領域番号 |
16K15920
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松崎 政代 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40547824)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 看護学 / 乳房管理 / 超音波診断法 / 助産学 / 評価 |
研究実績の概要 |
1.目的:超音波診断装置(エコー)を用いての妊婦・褥婦の母乳育児のための乳房の評価を行うことを目標に、以下を明らかにする。 ①乳汁分泌促進、母乳育児のための妊娠・産褥期の乳房管理におけるエコーの有用性、②乳汁分泌不足や乳腺炎の程度とエコー画像の関連、③乳汁分泌促進ケアの効果をエコーを用いて評価する。当該年度では測定方法の確定とフィールド調査を予定していた。 2.方法:測定方法の確定のため文献検討、2名の超音波検査技師、3名の産婦人科医師、1名の放射線技師から妊婦・褥婦の乳房の測定についてアドバイスを受けた。1名の助産師より関西地域のフィールドについてアドバイスを受けた。 3.成果:測定方法の確定に時間を要し、フィールド調査までは行っていない。 文献検討では、エコーによる妊婦・褥婦の母乳育児のための乳房の評価方法は見当たらなかった。専門家からのアドバイスにより、エコーによる妊婦・褥婦の母乳育児のための乳房の評価の難しさ、いくつか課題が明らかにされた。乳房の全体的なボリュームや妊娠・産褥の時期による変化の個別性が大きく、すべての人・時期で同様に計測するのは難しいこと。仰臥位で測定することで乳房の形状が変わり、測定の信頼性が得難いこと。エコーの妥当性を見るためにMRIで基準関連妥当性を見るべき等々の課題が明らかにされた。そこで、測定方法には2通り考えられ、次年度ではこの結果をもとにプレテストから行っていく予定である。 フィールドについては、関西地域で10病院の選定がされ、今後特性に合わせて厳選しフィールド交渉を行う。また、状況によっては関東地域で行うことも考慮に入れている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
母乳育児支援を目指した妊娠期、産後の乳房の超音波エコーを用いた計測方法は一般化されておらず、その方法を探索するのに時間を要した。また、研究代表者の異動のためフィールドが関東から関西になる可能性もあり、フィールドの再検討が必要であったため研究が計画よりも遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
測定方法の確定について、専門家からの意見、論文から明らかにされたため、倫理申請を行った後に、少人数の対象者に測定方法の妥当性を検討し、フィールド調査を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に測定機器である超音波診断装置(エコー)を購入、もしくはリースする予定であったが、次年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じた。理由としては、1.研究代表者が関東から関西に異動したこと、それに伴うフィールドの再調整が生じた。2.正常妊婦、褥婦のエコーによる乳腺等の評価方法について、先行研究と専門家のアドバイスを受けたが、見解が一致しないため、方法を確定するのに時間を要した。
|
次年度使用額の使用計画 |
H29年度は測定方法の確定とフィールドの再調整を行い、超音波診断装置(エコー)を購入、リースにより、調査を開始する予定である。以上から次年度で助成金を使用していく。
|