研究課題
がんと診断された子どもの家族は、外傷的体験に晒され、大きな心理的影響を受ける。看護師には、本人ときょうだいを含む家族全体がストレスに対処できるようサポートすることが求められている。本研究の目的は、診断を受けた時期を中心に、家族全体を対象とする介入プログラムの日本版を開発することである。平成28年度には、小児がん闘病が患者・家族に与える影響を多面的に明らかにするために、次の研究を行った。1)非ホジキンリンパ腫患者の治療中から治療後にかけてのQOLの実態およびQOLに影響する要因を明らかにするために、非ホジキンリンパ腫を対象とする2つの臨床試験におけるQOL調査を計画し、遂行中となった2)外来受診中の小児がん患者における経済負担および経済負担感の実態を明らかにするために、インタビュー調査を行った。現在、データを追加した上で結果の公表準備中である3)小児科外来においてがん患者・経験者に対して使用可能ないくつかのQOL尺度を検討し、e-PROを用いた実装に向けて、準備を開始した以上から、平成28年度中の成果として、特に2)について、1人の小児がん患者が複数の経済負担を抱えていること、その一つ一つの経済負担、あるいは経済負担の全体に対して4種類の負担感を感じていることが明らかとなった。さらに、この負担感を感じる要因が【親からの経済的支援】、【現在の経済負担への納得】、【現在の経済負担への納得のいかなさ】、【将来の見通しと不安】の4つに大別される可能性があることを示した。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通りに進めることができているため。
当初の計画通りに進める。
平成28年度に実施することができなかった、海外での実践状況の情報収集について、国際小児がん学会(平成29年度;ワシントンDC、平成30年度;京都)等の機会を利用して実施する。
平成29年度および平成30年度に、国外旅費/国内旅費として使用する
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すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
小児看護
巻: 39 ページ: 1615-1619
グリオーマ治療のDecision Making
巻: 1 ページ: 132-134
堀部敬三, 福澤正洋, 真部淳, 小川千登世, 瀧本哲也, 齋藤明子編.
巻: 1 ページ: 290-303