研究課題
がんと診断された子どもの家族は、外傷的体験に晒され、大きな心理的影響を受ける。看護師には、本人ときょうだいを含む家族全体がストレスに対処できるようサポートすることが求められる。本研究の目的は、診断を受けた時期を中心に、家族全体を対象とする介入プログラムの日本版を開発することである。平成30年度は最終年度であるため、平成28年度および平成29年度に行った研究成果を国内外で発表し、さらなる次期研究に向けた調整を行った。具体的には、小児がん闘病が患者・家族に与える影響を多面的に明らかにし、長期フォローアップおよび移行期支援において患者家族がどのような体験をするのかの複数の側面を明らかにした。その中で、小児科外来においてがん患者・経験者に対して使用可能ないくつかの介入を検討・統合し、ePRO(electronic patient reported outcomes)を開発し、臨床に導入・実装した。さらに、患者・家族システムのみならず、医療システムに着目し、本人ときょうだいを含む家族全体がストレスに対処できるため、それを支える看護師・医師のストレス対処研究を通じて、持続可能・継続可能なシステムとして導入・実装するつもりである。こちらについては当初計画の発想を少し超えた部分があり、本当に持続可能・継続可能なものであるかどうかについては(その評価も含めて)道半ばと言わざるを得ない。しかし、東京大学医学部附属病院小児科外来(専門外来)における継続看護への道を開いたと考えている。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
International Journal of Clinical Oncology
巻: 23 ページ: 801~811
https://doi.org/10.1007/s10147-018-1279-2