研究課題/領域番号 |
16K15924
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡邊 浩子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20315857)
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研究分担者 |
田中 弥生 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (80636184) [辞退]
近江 雅人 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60273645)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インファントマッサージ / 快情動 / マッサージ手技 / 接触圧 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、快情動を最大限に引き出す効果的で安全なインファントマッサージの手技を確立することである。具体的には、異なるマッサージ速度と加圧により、マッサージを受ける児の副交感神経反応を定量評価する。【方法】生後2-7ヶ月の健康な乳児22名を対象に快情動を最大限に引き出すマッサージの速度の検証を行った。マッサージ速度は10.0cm/s、7.5cm/s、5.0cm/sの3つとし、上肢、下肢、胸部を1クール5分とし、1分間のインターバルをおいて、母親が3つの速度で計3クール、児にマッサージを行った。マッサージ加圧は生後2-6ヶ月の健康な乳児6名を対象に、0.1mmセンサシート I-SCAN100をマッサージ部位に巻き、面圧分布測定システムを用いて4kgPa、10kgPaの2種類でマッサージを行った。マッサージを受ける児の快情動は、心拍変動値(心拍、HF値、HF/LF比)、精神性発汗量および近赤外線分光法NIRS(near infrared spectroscopy)を用いた大脳皮質活動の指標となる酸素化ヘモグロビン値と脱酸素化ヘモグロビンの濃度変化より評価した。【結果】①マッサージ速度:マッサージを受ける乳児の快情動を最も引き出す副交感神経優位となるマッサージ速度は7.5cm/sの速度であり、乳児が不快を感じる交感神経優位となるマッサージ速度は10.0cm/sの速度となった。②マッサージ加圧:マッサージ中の児の心拍数はレストに比べ有意に減少、HF値は有意に上昇し、副交感神経優位のリラックス状態にあった。HF値を有意に上昇させる加圧値は、酸素化ヘモグロビン値、心拍変動より包括的に評価する必要があるため、現在解析中である。
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