研究課題/領域番号 |
16K15925
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 あけみ 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90273507)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 家族コミュニケーション / 育児 / 家族保健機能 |
研究実績の概要 |
大阪大学医学部附属病院倫理審査委員会より 2016年9月13日 承認された(承認番号16194) 【第一段階】 産後1カ月の母親の家族コミュニケ―ション 実態調査 半構造化面接の実施 2016年10月1日より11月21日まで、研究協力病院において、産後1カ月間の母親とその夫、又はその実母もしくは義母とのペア10組に対して、半構造化面接を行った。インタビューは同意のもとにICレコーダーに録音し、逐語録を作成した。インタビュー時間は平均時間33.9±6.0分(範囲27~43分)、母親の平均年齢は33.3±3.5歳(範囲28~40歳)で初産婦7名経産婦3名であった。 【第二段階】産後1カ月の母親の育児困難感と家族コミュニケーション 自己記入式調査票の実施 第一段階に得られた知見と文献検討から、調査用紙を作成。2017年2月20日より、研究協力病院において、産後1カ月健診に来院した母親に口頭と書面で調査依頼を行っている。承諾を得た母親に、診療の待ち時間に、自己記入式調査を依頼し、回収BOXへの投函をもって同意を得たとした。2017年3月末143名(回収率98%)、今後合計500名に依頼予定である。 【結果】第一段階の逐後録をフィールド・リサーチの手法による質的因子探索を行い、産後1カ月の母親の家族コミュニケーションの実態として、その方法を5つに分類することができた。〔対面〕〔通話〕〔メール:個別コミュニケーション〕〔SNS:特定の人との集団コミュニケーション〕〔SNS:不特定の人とのコミュニケーション〕であった。内容は育児の悩みや心配事を相談・傾聴することが多かった。近年の産後1カ月の不規則な生活を送る母親やその家族は、現代のコミュニケーションツールの多様化に伴い、様々な方略で家族コミュニケーションを行うことが可能となっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、家族ライフイベント上の家族形成期の保健機能、中でも生後1ヶ月間における『育てにくい子ども』という現象に対して、現代の家族内外、また世代間のつながりをふまえて どのような提案ができるか 混合研究法デザインを用いて検討することである。 すでに10組の夫婦・母親-実母・母親-祖父母にdyadic interviewが終了しており それを参考にして 家族保健機能(主に家族コミュニケーション)の質問項目を作成した。 また 『育てにくい子ども』子ども総研式・育児支援質問紙の第4領域Difficult baby 第1領域育児困難感を従属変数として、1ヶ月健診に訪れた母親に対して質問肢調査を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年6月末まで、現在実施している質問肢調査を継続し、産後1ヶ月の母親約500名に調査依頼予定である。その後、育てにくい子どもをめぐる家族保健機能の構成概念の構築と、関連因子の分析を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画段階では、初年度に統計ソフトを購入予定であった。現在データはエクセルにまず入力しており、すべてのデータがエクセルに入力終了してから、次年度に統計ソフトでの解析を検討している。そのために物品費において次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
質的データの高度な分析を行なえるNvivo Pro・IBM SPSS Statistics Base・AMOSなどの購入を検討している。
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