研究課題/領域番号 |
16K15935
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
青柳 優子 順天堂大学, 医療看護学部, 講師 (40289872)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 不妊治療後妊産婦 / 倫理的実践 / 助産師 |
研究実績の概要 |
第1段階として、平成27年度より進行していた(1)不妊症看護認定看護師の資格を持つ助産師へのインタビュー結果から「不妊治療後妊産婦への助産師の倫理的実践の実際」を抽出し、コード化、カテゴリー化を行った。これらについて、先行研究結果における当事者のケアニーズやカウンセリングガイドラインとの整合性を確認すると共に構成概念の妥当性を理論的に確認した。 (1)で抽出した実践内容、語られた事例、倫理的実践における助産師の困難を整理し、不妊治療後妊産婦に必要とされる倫理的視点を加味した助産ケアの質問紙を作成した。測定用具としての信頼性が高いとされる客観的尺度とするため、行動の頻度を測定する内容を構成した。質問紙の内容妥当性を確保するため、生殖看護の専門家、看護倫理に造詣の深い専門家にスーパーバイズを受けた。質問紙は、周産期の助産ケアを行い、且つ調査研究経験者6名にプレテストを行い、表面妥当性および体裁に関する意見を聴取し修正を繰り返した。以上により、「不妊治療後妊産婦への倫理的助産実践質問紙」を作成した。 今後、「不妊治療後の妊産婦への助産ケア評価尺度」の作成にあたり、まず倫理的助産実践と関連する要因を調査することが必要と考え、質問紙調査の方法を一部修正した。 第2段階として(2)周産期ケアを行っている助産師への質問紙調査を開始した。対象は全国の分娩を取り扱う病院に勤務している助産師で、不妊治療後妊産婦への周産期ケアを1年以上実施している者とした。測定用具は菜1段階で作成した質問紙、既存の「改訂道徳的感受性質問紙日本語版(J-MSQ)」(前田,小西,2012)、自作の不妊治療に関する知識の質問紙、自作の人口統計学的データ質問紙とした。質問紙の信頼性確認のためテスト再テスト法を実施した。現在、質問紙の送付および回収を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
質問紙作成が順調に進んだことから、教育業務との調整を図り、質問紙調査実施可能な時期を確保した上で、質問紙調査を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、計画通り質問紙調査の結果を分析する。質問紙調査の方法を変更し、「不妊治療後妊産婦への助産師の倫理的実践」と関連要因を明らかにすることを目的とした。測定用具は、倫理的実践質問紙と不妊治療に関する知識、倫理的感受性、助産師の背景とし、テスト再テスト法を実施したことが変更点である。今後は、分析結果より尺度開発の可能性を探り、必要となる質問紙の修正を行う段階に進む予定である。
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