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2018 年度 実施状況報告書

精神病早期介入における包括的家族支援ケアプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15936
研究機関上智大学

研究代表者

小高 恵実  上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (90275321)

研究分担者 渡邊 碧  上智大学, 総合人間科学部, 助手 (30711105) [辞退]
西井 尚子  四天王寺大学, 教育学部, 助教 (50637668)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード精神疾患 / 早期介入 / 家族支援 / 尺度開発
研究実績の概要

精神疾患の早期介入における家族支援の評価尺度を開発し、包括的家族介入プログラムを検討することを目的として、研究を進めている。
昨年度までに行なった精神疾患患者の家族へのインタービューデータについて、家族支援に求められる専門職へのニーズや経験した困難等を軸に質的分析を進めた。その結果をもとに評価尺度開発のためのアンケート調査を行う予定であるが、アンケート調査に使用する項目を吟味した。その結果、アンケート調査項目は約30項目となった。
アンケート項目で特徴的なのは、子どもの言動の異変には気づいていたものの、「病気だとは思わなかった」と、子どもの言動の変化を精神疾患に結びつけられていない点であった。その原因として、「知識がなかった」等が挙げられており、子どの変化が何から起きているのかに関する十分な知識がなく、精神症状と結びつけて考えられにくい現状が浮き彫りにされた。精神的に問題があるのではないかと指摘されたのちも、「どこに連れて行った良いか分からない」、「どの病院で診てもらえるのか分からない」などの、医療期間に関する情報不足も明らかとなった。
また思春期の特徴の影響として、「子どもは親には言わない」ことが挙げられ、このことから家庭以外での子どもの様子や学校からの子どもの状況に関する情報提供等のニーズがある事も明確となった。
以上のことから、子どもの変化に気付きながらも、精神疾患に関する知識不足・医療機関に関する情報不足から早期受診に繋がりにくい現状があり、家族には学校に対する子どもの様子に関するニーズがあり、これらの項目を中心に、次年度は一般化するための量的調査を行う。
また研究者が、量的調査の対象者を確保するための協力施設について、5~6施設から内諾を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

量的調査を行うための対象者および対象者数の確保が困難であり、また対象施設の倫理審査を受ける必要性があることから、質的研究結果を一般化するための量的調査が頓挫していた。今年度研究者が関わっている医療・福祉施設に対し、調査の協力に関する説明をしたところ、5~6施設から内諾を得られたため、量的調査を実施できることとなった。

今後の研究の推進方策

量的調査が難航していることから、研究期間を1年延長した。
調査協力が可能な5~6施設から内諾を得られたため、大学の研究倫理審査の承認を得た上で、量的調査を行う予定である。
また必要時、協力施設の倫理審査の承認を得た上で、実施する。
次年度は、本研究において質的研究から作成した質問紙による量的調査を行い、精神疾患の早期介入における家族支援の評価指標としての尺度開発を行う。また医療者側からの視点だけではなく、家族側の視点も含めた包括的家族介入プログラムの検討を行い、本研究課題を完結する。
研究課題の完結に伴い、学会発表および論文の作成・投稿を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度が本研究の本来の事業終了年度であったが、量的研究を実施するための対象者の確保が難航したため、量的研究を実施できず、そのための経費が使用できなかった。
次年度は、今年度の繰越経費を使用し、量的調査を実施するとともに、研究発表・論文投稿に経費を使用する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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