研究課題/領域番号 |
16K15938
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野 智美 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70304110)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 幼児 / 皮膚バリア機能 / 経表皮水分蒸散量 / 角質水分量 / 短期入院 / 親 / 影響要因 / アセスメント指標 |
研究実績の概要 |
1.研究の最終目的は、皮膚バリア機能(経表皮水分蒸散量:Transepidermal Water Loss、以下TEWLと示す)を子どもの心理、生理 的状態のアセスメント指標として子どものケアに応用し、小児看護の新たなケア技術とツールを開発することである。皮膚バリア機能 は様々な要因が複雑に関与することが多くの研究において示唆されているため、段階を経た探求が必要である。そこで、本研究では、 先行研究の導いた幼児の皮膚バリアの概念関連図案を基に作成した研究枠組みを基に、入院中の幼児期の子どものTEWLとその影響要因 を質的に記述し、入院中の子どものケアにおける幼児の皮膚バリア機能の概念モデルを作成して、実現可能性を探ることを研究目的と している。 2.初年度の平成28年度は、プレテストを実施し、データ収集時の困難さや進行が低下する要因を抽出してデータ収集法の修正や早期対策を練り実行することが主な活動であった。 3.2年目の平成29年度の活動は下記の1)~3)である。 1)研究者の所属が変わったため、テータ収集の場所を移動先の病院に変更するために、移動先の研究倫理委員会で承認を得る必要性が生じた。12月に研究倫理委員会に審査申請を依頼し、2018年3月に承認を得た。データ収集する病棟を選定して依頼し、4月からデータ収集を再開する予定である。そのため、データ収集に遅れが生じている。 2)平成28年度にプレテストとして収集したデータを3ケース分析した結果を、第37回日本看護科学学会学術集会で報告した。 3)以前に科学研究費を拝受して実施した、本研究の基盤の1つとなる研究結果をジャーナルに掲載した。その際、掲載費用を予算計上していなかったため、予算不足が生じ、前倒し支払い請求(10万円)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者の勤務先の移動によりデータを収集する施設を変更する必要性が生じた。対象者の適切な選定と現実的なデータ収集のあり方の観点から、データ収集に適した施設を検討することに時間を要したため、今年度はデータ収集が停滞し、研究の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の平成30年度は遅れているデータ収集を加速させながら、分析も平行して進めていく必要がある。今後は、岡山大学病院で、7~10名(1~2歳:3~4名、3~4 歳:1~2名、5~6 歳:3~4名)のデータを収集しながら1 ケースずつ丁寧にTEWLの推移とその影響要因を記述していく。分析結果は学際的分析の際に説明できるように準備をすすめる。学際的分析に向けて、皮膚科(アレルギー科兼任)や小児皮膚科を専門にする研究者、幼児の教育心理や保育を専門にする研究者やCLS等の実践家、 小児看護学でフィジカルアセスメントを専門にする研究者を選定し、分析コンサルテーションを依頼する。それらの専門的分析 結果を概観しながら、影響要因を抽出して、皮膚バリア機能についての概念枠組みを作成する。それらの過程から、次の研究段階である実証研究のための概念モデルの構築や科研申請の可能性を検討するとともに、研究成果の学会発表や学会への掲載に向けて準備をすすめる。
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