研究課題/領域番号 |
16K15940
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
片岡 弥恵子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (70297068)
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研究分担者 |
小黒 道子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (90512468)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 周産期 / エビデンス / 補完統合医療 / システマティック・レビュ / 助産学 |
研究実績の概要 |
今年度は、周産期における補完統合医療の中でハーブ療法に関する文献レビュと産科施設での補完統合医療に関する実態調査を行った。母乳分泌を促進するためのハーブ療法の効果に関する文献について、国内外のガイドライン、医中誌Web、PubMed、Cochrane Library、EMBASEを用いて検索した結果、5件の介入研究が抽出された、介入となったハーブはTorbangun、Shatavari、Fenugreek、Milk thistelの4種類であった。介入群は、比較群に比べ母乳分泌量が増加したが、血中プロラクチン値および児の体重変化は研究毎に結果が異なっていた。5件の研究はバイアスリスクが高いものが多く、結果の信頼性への影響が危惧された。 産科施設における補完統合医療の実態調査は、全国318施設を対象に行った。妊娠期において浮腫改善のための足浴の推奨は、病院12.1%、診療所5.3%、助産所26.5%であった。マッサージの推奨については、病院8.1%、診療所10.5%、助産所32.8%であった。腰痛・骨盤痛緩和のための運動は、病院19.2%、診療所20.0%、助産所42.6%が推奨していた。分娩期では、分娩誘発を目的とした灸療法を勧めているのは、病院0%、診療所1.1%、助産所3.0%であった。分娩促進のための鍼療法は、病院1%、診療所0%、助産所1.5%が勧めていた。指圧については、病院3.1%、診療所3.2%、助産所16.4%であり、鍼療法よりも勧める施設が多かった。本研究の結果から、エビデンスギャップについて考察し、今後の課題を導き出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
周産期におけるハーブ療法に関する文献レビュを行い、エビデンスを明確化できた。今後、さらに健康食品、アロマセラピー、ホメオパシーの効果に関する文献レビュを実施する予定である。今年度、産科施設における実態調査を行ったため、来年度は妊産婦を対象に補完統合医療に関するセルフケア実施の実態を調査する予定である。ほぼ、計画書に従って進行できている。
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今後の研究の推進方策 |
妊産婦を対象に補完統合医療に関するセルフケア実施の実態を調査については、現在研究計画書を作成中である。計画書は、聖路加国際大学研究倫理審査で承認を得て、8月にはデータ収集を開始する予定である。11月までにデータを回収し分析を行い、1月に論文として完成させる計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
医療施設での調査の費用が予定より少額であったため、来年度の使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度予定している妊産婦への調査は、サンプル数を増やして計画しているため、郵送費および謝金として使用する予定である。
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