研究課題/領域番号 |
16K15946
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
中島 登美子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (60248854)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | NICU / 環境音 / 発達 |
研究実績の概要 |
【はじめに】新生児集中治療室(NICU)NICUの環境音指針は、1970年代からの知見をもとに作成され、環境音は胎児と新生児の聴覚形成に影響を与えるリスクがあるため、NICUを早期産児の発達に適した環境に保つことを勧めているが(American Academy of Pediatrics)、環境音調節は多様な要因が絡むため容易ではない。本研究はNICUにおける環境音の現状を明らかにし、早期産児の発達を支えるNICU環境への示唆を得ることを目的とし、2017年度はその現状を調査した。 【研究方法】調査期間は2017年1月~2018年3月、2施設において環境音測定を2回実施し、施設への測定値の報告は測定後1週間以内に実施した。測定機器はサウンドレベルメーター、マイクロミニ音型センサーを用い、1分毎の測定値を48時間程収集した。また、音質把握のため研究者が調査期間中に30分間の環境音の発生状況を調査した。解析は、Oscope, Action4を用い、昼間と夜間および24時間の傾向を把握した。倫理的配慮については、所属大学の研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 【結果・考察】NICUにおける等価音圧は、45 dB~55 dB程度であり比較的静かな環境が保たれていた。最大音圧は60 dB~70 dB程度であり、昼間は夜間よりやや強い音圧傾向にあった。比較的強い音圧の音質は、主にアラーム等の機械音であった。2か月後の2回目測定値は5 dB程弱い音圧傾向を示していた。これらから、NICUの環境音は等価音圧としては比較的静かさが保たれているが、最大音圧の強さからも機械音については、その要因に成り得る音の対策が必要といえる。また、環境音測定値の報告は、現状の環境音の認識につながり対策へとつながる可能性があることを示していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ解析と論文公表を残しているが、次年度取り組める内容であるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度となるため、得られたデータを解析し学会発表および論文投稿の予定である。また、先駆的取り組みを行っている海外施設の見学を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間を1年延長したため、次年度使用予定の論文投稿料、海外施設の見学に伴う必要経費等を残した。
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