研究実績の概要 |
拘縮は高齢者に耐え難い痛みや不快感を与えるため、そのケアの確立は老年看護学の喫緊の課題であるが、その発生機序は明らかにされていない。本研究では、老化関連現象(Senescence- associated Secretory Phenotypes, SASP)遺伝子群ならびに酸化ストレスに着目して、後肢拘縮ラットモデルを用いた動物実験により、老化の関与する拘縮発生メカニズムの解明を試みる。 これまでSASP遺伝子群として16因子(IL1a, IL1b, IL6, IL7, CCL3, CCL20, CCL26, Amphiregulin, Epiregulin, Kit ligand, CXCL12, Mmp3, Mmp10, Mmp14, Timp1, Timp2)について、9週齢の若齢ラットと12ヵ月齢の加齢ラットの皮膚組織で発現を比較した。しかし、これまで発現量に有意な群間差が認められる因子は同定できていない。 今後、他のSASP遺伝子群、抗老化遺伝子群(Sirtuinなど)、抗酸化遺伝子群(Hmox1など)に解析を拡大し、有意差が認められた因子について、拘縮モデルで更なる解析を進める予定である。
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