研究課題/領域番号 |
16K15978
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
乾 富士男 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (80469551)
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研究分担者 |
冨澤 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (20584551)
本多 智佳 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (40625498)
加藤 憲司 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (70458404)
中谷 香江 畿央大学, 健康科学部, 助手 (20524979) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 双生児研究 / 遺伝環境交互作用 |
研究実績の概要 |
ヘルシンキ大学社会科学部に客員研究員として滞在し,大阪大学ツインリサーチセンターにて収集したデータの解析を行った。遺伝要因と環境要因の影響を解析する双生児研究において,遺伝要因も環境要因も異なる国際比較を行うためには,従来の疫学手法では解決できない課題がある。また,それぞれの研究者や機関が保有しているデータを利用するための手続きは一様ではない。そこで,日本とフィンランドのデータを比較するための一つの段階として,日本のデータとフィンランドのデータをそれぞれに解析することにした。本年度には,計画通りに大阪大学ツインリサーチセンターにて収集している縦断調査のデータ(昨年度に調査を行ったものが最新)の解析を行った。その結果,性格の一つである自己効力感と,身体症状(疲労感),精神症状(うつ症状)に関連する遺伝要因が二つあることが分かった。そのうちの一つはすべてに関連し,もう一つは疲労感とうつ症状に関連することが分かった。さらに,うつ症状だけを説明する遺伝要因は存在しない(先行研究と合致する)ことも示された。また,環境要因の相関は大きくないことも分かった。 国際比較に関しては,フィンランドの双生児研究データの利用申請を行い(すでに承認されているが,データの解析は次年度),データの解析に必要な計画を立てた。 今後の予定としては,フィンランドのデータを受領後直ちに解析を行い,日本のデータとの比較方法を検討する。その際に考えている手法は,遺伝と環境の交互作用を推計することである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに海外(フィンランド)のデータの使用許可を得ることができた。 計画通りに,わが国の縦断データを収集し,解析を行い,公表できる知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
フィンランドのデータを受領後直ちに解析を行い,日本のデータとの比較方法を検討する。その際に考えている手法は,遺伝と環境の交互作用を推計することである。環境要因の影響のみを推計する方法では,多くの(数万件)サンプル数が必要である。しかし,データを精査した結果,研究課題に関連のある変数を含むデータは数百~数千件程度で,十分ではないことが分かった。そこで,解析方法の再検討を行うこととした。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:客員研究員としてヘルシンキ大学に滞在していたため,海外出張旅費が予定額よりも少なくて済んだ。 使用計画:解析用のPCの更新をする。海外出張。
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