研究課題
閉じこもり,うつ,認知症の予防に重要な環境要因を明らかにすることが本研究の目的である。しかし,環境要因は特定のものが存在するのではなく,互いに独立の環境因子がそれぞれに影響している事がわかってきた。そこで,環境要因の選択に関連するであろうパーソナリティや,環境要因によって影響を受けるであろう睡眠状況に注目して研究を進めてきた。本年度では,睡眠状況に関して新たな知見を得たので,2019年6月26日から29日にストックホルムで開催された第49回Behavior Genetics Association総会において発表した。睡眠時間の遺伝率は,ヨーロッパで行われた先行研究では30から60%程度である。しかし,われわれの研究による日本人のデータでは,ほぼ0%であった。しかし,日本人の睡眠時間は,他の先進国と比較して1時間程度短いこと,睡眠の満足度が世界最下位であること,日本人でも約30年前を比べて1時間程度減少していることなどを考えると,現在の日本人が何らかの特殊な環境的影響を受けている可能性は否定できない。本結果と高齢者の精神症状との関連を証明するにはさらなる研究が必要であるため,今後の課題としたい。
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